アトランチスの謎

アトランチスの謎

アトランチスの謎

発売日:1986/04/17|価格:4900|メーカー:サン電子|ジャンル:アクション

NAO: 師匠救出というより弟子の冒険感。
NATSU: ひたすら面ワープ、これぞ昭和ゲー。

🗨      思い出をコメントに残してみませんか?

任天堂
¥30 (2025/10/30 17:14:09時点 Amazon調べ-詳細)

エピソード

  • トリビア

    1980年代半ば、家庭用ゲームがようやく“冒険”を語れるようになった頃に登場した『アトランチスの謎』は、プレイヤーの探索心を極限まで刺激する異色のアクションゲームだった。舞台は海底に沈んでいたはずの伝説の大陸アトランチス。突如姿を現したその島へ、若き冒険者ウィンが師匠救出のために単身挑む。武器は師の発明した小型爆弾「ボン」。軽快な音楽に反して、わずかな操作ミスで奈落に落ちる冷徹な世界が待ち受けていた。

    本作の特徴は、100以上のゾーンに細分化されたマップ構造にある。表面上は横スクロール型のアクションだが、実際は“どの扉や穴に入るか”で次に行くステージがまったく変わる。順路は固定ではなく、面番号が飛び飛びで進行するという大胆な仕掛けが施されている。序盤から一気に終盤へ飛べるワープもあれば、逆に初期面へ戻される落とし穴もある。数字の並びを信じて進むと裏切られるという構造が、タイトルの「謎」を象徴している。

    操作はシンプルだ。十字キーで移動、Aボタンでジャンプ、Bボタンでボンを投げる。ボンは弧を描いて飛び、地形や敵を破壊するほか、壁の陰に隠れた通路をあぶり出す役割も持つ。ジャンプの慣性が強く、足場の端を読み違えると一瞬で転落死。敵の配置よりも足場の恐怖がプレイヤーを支配する。ときに見えない扉や爆破で出現する入口があり、マップの記憶と推理が重要になる。敵を倒して進むより、どのルートを選ぶかの方が本質的な戦いとなっている。

    ゾーン構成は草原・遺跡・洞窟・神殿・空中と多様で、ところどころにモアイ像やピラミッドが現れるなど、世界観は明確な統一を拒む。これが“未知の文明”の雰囲気を生み、何か得体の知れないものを探っている感覚をプレイヤーに与えた。ゲームデザインはどこか実験的で、ミスの多さを前提にテンポよく再挑戦できるよう設計されている。音楽は明るいリズムだが、何度も同じ場面に戻されるうちに、いつしか耳に残る不思議な催眠性を持つ。

    本作は、発売当時の販促キャンペーンも印象的だった。バスタオル500名・スポーツタオル1000名が当たる「早いもの勝ちプレゼントキャンペーン」が実施され、応募方法は同梱チラシに記載されたエリア20の“キーワード”をはがきに書いて送る形式だった。先着順での当選という斬新な仕組みに加え、別枠の「ダブルチャンス」企画も設けられており、応募者全員の中から抽選でオリジナルスポーツタオルがプレゼントされた。締切は1986年5月末と6月末の2回に設定され、まさにリアルタイムで競う熱気を感じさせる内容だった。景品はいずれもゲームロゴをあしらった特製デザインで、子どもたちにとっては「テレビの中の冒険世界」と現実がつながるような夢の企画だった。画面の中で“隠し扉を探す”ゲーム体験と、現実で“早い者勝ちを競う”応募体験が重なり、80年代の熱狂を象徴している。

    この作品の魅力は、プレイヤー自身が地図を描くことにある。どこへ飛ぶかわからない扉、落下後に突然現れる新しいゾーン、戻り道のないルート。試行錯誤のすべてが「自分だけの冒険譚」になる。ときに爆弾の角度を変え、見えない床を確かめ、壊れる壁を探す――すべてが手探りの発見だった。子どもたちはノートに番号と分岐を書き写し、放課後の仲間と情報を交換した。雑誌『ファミマガ』や『ファミコン通信』が次々に新ルートを公開し、そこに書かれた小さな数字が週末の冒険のヒントになった。

    また、難解さと理不尽さは表裏一体だった。ステージが進むほど即死トラップが増え、特定のルートを知らないと一歩も進めない場所もあった。それでも諦めずに挑み続けるうちに、プレイヤーは“死んで覚える”リズムを自然と体に刻む。やがて、敵よりも地形、地形よりも記憶力との戦いになる。これは当時のアクションゲームが共通して持っていた“忍耐の美学”を凝縮した設計でもあった。

    最終ゾーンにたどり着くと、プレイヤーを待つのは行方不明だった師匠。その姿を見た瞬間、多くの人が思わず笑った。そこにいたのは――あの『いっき』のごんべとそっくりの人物だったのである。なぜ彼がアトランチスにいるのか、物語は何も語らない。
    だが、その唐突な出会いこそが、長い旅路の締めくくりにふさわしい“最後の謎”だったのかもしれない。
    なぜ、いっきのごんべが居るのか――それが最後の謎であり、『アトランチスの謎』なのかもしれない。

  • NAO総評

    マリオ的な一本道の快走ではなく、行き止まりと飛び番で“足を止めさせる”設計が徹底している。敵より怖いのは足場と扉の配置、そして自分の焦りだ。数字の並びを信用すると裏切られ、爆弾の弾道と落下位置で活路が開く。師匠救出は目的だが、実体は弟子の自立。昭和の紙雑誌や口コミと連動する構造まで含めて、遊び手の側に“謎を解く責任”を押し返すゲームだった。面ワープの愉悦は、攻略図では表せない。だからこそ癖になるし、だからこそ人を選ぶ。

    出典:NAO
  • NATSU:総評

    初めて扉で別の番号に飛んだとき、画面の外に地図が広がった気がした。失敗してもすぐやり直せるから、放課後の時間はいつも少しだけ延びていく。エリア20のキーワードを探して、チラシの応募はがきを眺めたことも覚えている。うまくいかない夜ほど、明日は別の道を試したくなる。師匠を助けに行くはずが、気づけば自分のために走っている。ひたすら面ワープ、これぞ昭和ゲー。雑なところもあるけれど、その雑さが、当時の空気まで一緒に連れて来るのだ。

    出典:NATSU
  • 📘 説明書資料(アトランチスの謎 [SS4-4900])

    説明書:Internet Archive 所蔵版(アトランチスの謎 [SS4-4900])
    ※Atlantis no Nazo [SS4-4900](Famicom)(JP)
    区分:説明書/Manual/Instruction Booklet

    出典:※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 / 権利は各社に帰属します
  • アトランチスの謎:オリジナルバスタオル

    アトランチスの謎 バスタオル
    strider@2048(2018/06/29)| オリジナルTWEET
    出典:x.com

データベース一覧 ♪

寄り道はこちら

  • Switch2
  • PS5
  1. ゲームソフト
  2. ゲームソフト
  3. ゲームソフト
  4. ゲームソフト
  5. ゲームソフト
    発売日 : 2025年10月30日
    価格 : ¥6,917
    新品最安値 :
    ¥6,917
  6. ゲームソフト
    発売日 : 2025年11月20日
    価格 : ¥7,819
    新品最安値 :
    ¥9,609
  7. ゲームソフト
    発売日 : 2025年07月17日
    価格 : ¥7,164
    新品最安値 :
    ¥6,750
  8. ゲームソフト
    発売日 : 2025年11月06日
    価格 : ¥7,819
    新品最安値 :
    ¥7,819
  9. ゲームソフト
  10. ゲームソフト
  11. ゲームソフト
  12. ゲームソフト
  13. ゲームソフト
  14. ゲームソフト
  15. ゲームソフト
  16. ゲームソフト
  17. ゲームソフト
  18. ゲームソフト
  19. ゲームソフト
  1. ジャンル別
    発売日 : 2022年01月01日
    価格 : ¥5,731
    新品最安値 :
    ¥5,731
  2. ゲームソフト
  3. ゲームソフト
    発売日 : 2025年10月30日
    価格 : ¥6,282
    新品最安値 :
    ¥6,282
  4. ゲームソフト
  5. ゲームソフト
  6. ゲームソフト
    発売日 : 2025年09月25日
    価格 : ¥7,472
    新品最安値 :
    ¥6,200
  7. ゲームソフト
  8. ゲームソフト
  9. ゲームソフト
  10. ゲームソフト
    発売日 : 2026年02月05日
    価格 : ¥7,469
    新品最安値 :
    ¥7,469
  11. ゲームソフト
  12. ゲームソフト
  13. ゲームソフト
    発売日 : 2025年02月28日
    価格 : ¥2,636
    新品最安値 :
    ¥1,414
  14. ゲームソフト
  15. ゲームソフト
  16. ゲームソフト
    発売日 : 2025年08月28日
    価格 : ¥6,500
    新品最安値 :
    ¥4,480
  17. ゲームソフト
  18. ゲームソフト
  19. ゲームソフト
  20. ゲームソフト
    発売日 : 2021年08月20日
    価格 : ¥5,250
    新品最安値 :
    ¥4,440

-