スペースハンター

スペースハンター

スペースハンター

発売日:1986/09/25|価格:4900円|メーカー:ケムコ|ジャンル:アクション

NAO: 地味だけど何か惹かれる横スクの佳作。
NATSU: 女性主人公っぽさが薄いのも80年代らしい。

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エピソード

  • トリビア

    1986年9月25日にコトブキシステムから発売されたファミコン用ソフトで、当時の社名やブランドとしてケムコの名でも扱われる。舞台は西暦2199年の崩壊後の地球で、核戦争の大爆発で地球が砕け、生き残りがサイボーグ化して文明を復興しつつあるところへ、天才科学者ドゴールと配下が反乱を起こすという物騒な設定が置かれている。物語上は宇宙暦0230年に地球防衛隊アースコマンダーの管理体制が揺らぎ、反逆者が分裂した小惑星へ潜んだという筋立てで、主人公は地球最高のサイボーグとされる少女アルティアナだ。パッケージの雰囲気は派手なのに、ゲームの手触りは淡々としていて、華やかな演出よりも手探りの探索が前に出る。この落差そのものが当時のファミコンらしく、地味なのに何か惹かれると言われる理由にもなっている。

    この作品を語るうえで外せないトリビアは、探索の進め方がそのまま落とし穴になり得る点だ。惑星を探索してアイテムを集め、守護者を倒すと自爆装置が作動し、惑星が消えるという流れは気持ちよく見えるが、必要なアイテムを回収しないまま惑星を消してしまうと、あとで取り返せずに詰みへ近づくことがある。惑星の攻略順は自由に見えつつ、武器や装備の相性で実質的に順番が誘導される。水の惑星に入るための装備が別の惑星の報酬になっているなど、一本道ではないのに依存関係が強い。しかも攻略の手掛かりとして集めるメッセージが、ワガママナンダカラやミタナーのような挑発めいた無意味な文ばかりだと語られ、真面目に拾ったほど肩すかしを食らう。この不親切さは説明書の説明不足とも結び付けられ、作品の評価が割れる最大の火種になった。セーブは電池ではなくパスワード方式で、長丁場になりやすい探索と相性が良いはずなのに、情報の導線が弱くて迷いやすいという皮肉がある。

    音の面では、曲数の少なさが話題になりやすい。BGMは2曲のみとされ、しかもタイトルからゲーム中まで同じ曲が長く続く印象が語られ、単調さが苦手な人には相当に厳しい。一方で、少数の曲を延々と聞かせることで、逆に耳に焼き付くという声もある。さらに箱絵とゲーム画面の距離感もトリビアとして鉄板で、箱は美少女ヒロインを強調するのに対し、ゲーム中は小さなキャラクターが忙しなく動き、当時の定番だった誇張広告の空気を思い出させる。世界観と噛み合わない隠しアイテムが出るとも語られ、終末的な設定と、どこかふざけた小道具が同じ画面に同居するのが妙に印象に残る。真面目な設定を掲げながら、時々すべる冗談が混ざるような温度差が、このゲームの人間臭さになっている。

    制作面では、プログラマーに道浦忍や戸野文雄、音楽に増野宏之の名が挙げられ、スタッフが明示されている。海外資料では日本限定作品として扱われ、ケムコが当時コトブキシステムとして知られていたことにも触れられる。装備は初期武器のタイムボムを軸に増えていき、サブ画面で攻撃用と道具用の装備を切り替える作りで、ジェットで飛べることがこの作品の顔になっているが、敵は地形を無視して高速で迫るとされ、正面から殴り合うより逃げと選別が前提になりやすい。ボスは弱点武器でなければ倒しづらいともされ、収集した装備がそのまま進行の鍵になる。惑星を消すまでの脱出劇も含めて、探索と時間に追われる感覚を同時に味わわせようとした野心が見える。好き嫌いが分かれても、あの一本調子のBGMだけは妙に記憶に残る。そして詰みを恐れながら進む緊張感が、妙な中毒性を生む。結果としてスペースハンターは、女性主人公という新鮮さよりも、癖の強い設計と時代の不器用さが記憶に残る一本になった。

  • NAO総評

    地味に見えるのに、手が止まらないのは、設計が親切だからではなく、親切さを削った分だけ癖が濃いからだ。女性主人公という看板は目を引くが、当時のケムコやコトブキシステムの作品らしく、遊びは硬派で、メッセージも説明書も頼りになりにくい。惑星を消したら戻れない構造は、進行を選ぶ責任をプレイヤーに丸投げする。BGMが少ないことすら割り切りの表れで、端的に言えば不器用だが、その不器用さが80年代の冒険の荒々しさをそのまま残す。好きか嫌いかを、こちらの忍耐力ごと試してくる一本だな。それでも地味な中毒があるから厄介だ。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    最初は何をしたらいいのか分からなくて、うろうろしてはパスワードを書き写した。意味のないメッセージに笑ったり腹が立ったりしながら、道具が一つ増えた瞬間だけ世界が少し広がるのが嬉しい。曲が少ないのに耳に残って、タイトルから流れ続ける感じが、単調なはずの旋律がいつの間にか旅の合図になる。箱絵の華やかさと画面の質感の差に戸惑いながらも、女の子が主役なのに飾り気が薄くて、むしろ淡々と任務をこなす感じが切ない。迷って、戻れなくて、でも前に進むしかない。そんな当時のゲームの温度がある。ジェットでふわりと浮く瞬間だけは、心まで軽くなる。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(スペースハンター [KSC-HT])

説明書:レトロゲームの説明書保管庫(スペースハンター [KSC-HT])
※space-hunter [KSC-HT](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction_Booklet
※レトロゲームの説明書保管庫様による保存資料です / 権利は各社に帰属します

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