レイラ

レイラ

レイラ

発売日:1986/12/20|価格:5300円|メーカー:デービーソフト|ジャンル:アクション

NAO: 宇宙に咲いたバンダナの華、ギャルアクションの幕開け。
NATSU: 手強いけれど、もう一回やりたくなる不思議な魅力。

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エピソード

  • トリビア

    1986年12月20日、デービーソフト(dB-SOFT)からファミリーコンピュータ向けに発売された『レイラ』は、定価5300円、アクションの皮を被りながらもシューティング色が極めて濃い迷宮型の一本である。主人公レイラは特殊部隊CATの隊員であり、相棒イリスをさらったマニトカ博士を追って宇宙の小惑星へと向かう。全8ステージは小惑星の地表と敵基地の二部構成で貫かれ、パッケージにはレイラとイリスの二人が前面に押し出されている。

    企画の変遷と「二人目の女性主人公」を巡る競争
    本作に関する最も象徴的なトリビアは、そのキャラクター造形と発売タイミングにまつわる数奇な運命である。企画段階からアニメ『ダーティペア』に着想を得た本作は、1986年8月の発表時点では、ファミコン界において『シティコネクション』のクラリスに次ぐ「二人目の女性主人公」として大きな話題をさらった。当時のファンやメディアは、宇宙を股にかける女性エージェントという設定に、新たなるアクションゲームの潮流を予感した。

    しかし、当初9月を予定していた発売時期が、開発の都合から12月にずれ込む。この三ヶ月の空白が、市場の風景を一変させた。同時期には『マドゥーラの翼』が目前の12月18日に発売を控え、夏に発売された『ワルキューレの冒険』が依然として市場で強い存在感を放っていた。さらにアーケードでは『アテナ』が稼働を開始しており、次世代のヒロイン像が次々と提示される激変期に突入していた。結果として本作は、単独の先駆者という地位を失い、女性主人公ブームが沸点に達した年末商戦の激戦区へと投入されることとなった。発売後のレビューでは主人公の愛らしさが強調された一方で、当時の雑誌メディアは「見た目の可憐さと、中身の過酷なまでのギャップ」を本作の本質として語るに至った。これは、八十年代らしい熱気と、激しい市場競争の洗礼を一身に浴びた結果と言える。

    逆行不能の構造:迷宮における「一歩」の重み
    遊びの基本は横スクロールであるが、画面は左から右へ進むのみで、決して後退を許さない。この仕様が、基地内部の探索において極めて独特な圧迫感を生んでいる。地表パートが疾走感を重視した作りであるのに対し、基地内部は洞窟状の通路が複雑に折り重なり、エレベーターを駆使して別区画を往復する探索型へと変貌する。しかし、画面は一度右へ進めば左側は消滅する。この「戻れない」という制約が、パズル的なルート構築においてプレイヤーに「取り返しのつかない判断」を常に強いる。

    各基地には進行に不可欠なキーアイテムが配置され、途中で入手するパスワードディスクは、ゲームオーバー後の再開機能と密接に紐付けられている。探索と戦闘が同じ画面密度で絡み合うため、初見のプレイヤーは等しく迷子と被弾の洗礼を受ける。さらに、壊せるブロックと壊せないブロックの判別が困難な場面が多く、活路を開くための攻撃がそのまま足場を失うリスクに直結する。

    資源管理と永久パターン防止の冷徹な設計
    武器体系もまた、外見のポップさを裏切るシビアな設計を貫いている。拳銃を初期装備とし、緑色のコンテナを破壊してマシンガン、手榴弾、火炎放射器などを補給するが、初期装備以外には厳格な回数制限が存在する。弾数そのものが攻略上の資源であり、撃ち方ひとつに戦略性が求められる。このリソース管理の概念は、単なるアクションゲームの枠を超え、サバイバルゲームに近い緊張感をもたらしている。

    時間制限こそ存在しないが、同一画面に停滞すれば永久パターン防止として「竜巻」が容赦なく襲来する。この竜巻は、待ち伏せや安易な安全策を封じ込めるための変化球であり、プレイヤーに常に前進と決断を強要する。落とし穴は即死ではないものの、落下によって体力や貴重な物資を喪失し、その後の攻略が困難になるという、じわじわとした絶望感を与える設計である。物語の途中で救出されるイリスは、レイラの動きを少し遅れてトレースし、武器を共有する。二人ヒロインという絵面を遊びのギミックに落とし込んだこの小さな仕掛けは、本作の持つ数少ない慈悲であり、同時に二人揃って窮地に陥るリスクをも孕んでいる。

    デービーソフトの技術的自負と開発の裏側
    開発元のデービーソフト(dB-SOFT)は、パソコンソフト界で培った技術力をファミコンへ投入した。スタッフ欄にはプロデューサー品田直人、ディレクターに苧野博司と松野誠一、音楽に斉藤康仁の名が記されている。ロム容量1メガビットに加え、64キロビットのRAMを搭載した仕様は、当時としては大規模な迷路探索と煩雑な武器管理を一つのカセット内で成立させるための、強固な技術的土台であった。

    操作体系は左右移動、しゃがみ、ジャンプ、攻撃と平易であるが、しゃがみからの高高度ジャンプや、ローラースケートによる速度変化など、プレイの手触りを変える工夫が随所に施されている。また、地表の疾走、基地の探索、そしてその間に挟まれる敵船撃墜のボーナスステージという構成は、アクションとシューティングの切り替えによってプレイのテンポを強制的に変える、非常に宣伝効果を意識した「多機能」な顔を持っていた。

    メーカー名の表記がカタカナの「デービー」と英字の「dB」で混在している点も、当時のファンにとっては馴染み深い。会社の事業が後にネットファームコミュニケーションズへ移管された後も、『レイラ』という名前だけが時代を越えて孤高の輝きを放っている事実は、この作品がいかに強烈な個性を持っていたかの証左である。

    結論:冬の空気に溶け込んだ「不思議な感覚」のアーカイブ
    『レイラ』という作品は、レイラとイリスの可憐なビジュアルと、戻れない迷路、そして過酷な弾数制という冷徹なシステムが、一つの箱に収まっている点にこそ真価がある。2009年の『ゲームセンターCX』で挑戦ソフトに選出された際、有野課長が初見の戸惑いに翻弄される姿が映し出されたが、あれこそが本作がプレイヤーの記憶に深く、そして「痛み」として定着しやすい設計であったことを物語っている。

    童話的な装いで宇宙要塞という無機質な戦場へ潜入し、ドタバタと武器を切り替えながら少しずつ前進を試みる。その特異なプレイ感覚は、1986年の冬の澄んだ空気、そして当時の情報の少なさを自分たちの試行錯誤で埋めていたあの時代の体温と一緒に、今もファミコン史の片隅で鋭い光を放ち続けている。見た目と中身のギャップ、そして時代の熱気に翻弄されたスケジュール。そのすべてを抱えたまま、本作は「懐かしさ」という言葉だけでは括りきれない、硬派な攻略の記憶として今なお存在している。

  • NAO総評

    おとぎ話みたいな顔をして、やってることは迷宮潜入と物資管理だ。かわいさで油断させて一撃で落とすのは、八十年代のファミコンが得意とした悪い冗談と言える。戻れない横スクロールで迷路を強い、弾数制の武器で過失を計算させる。画面に居座れば竜巻で追い立てる徹底ぶりも痛快だ。アニメ的なヒロインを前面に出しつつ、中身は極めて硬派な攻略仕事である。可憐な外見と峻烈な手触りの落差は、当時の家庭用ゲームが見せた背伸びそのものだ。初見の戸惑いすら設計の内。後年の挑戦番組で苦しむ姿まで含め、この歪な世界観は中毒性のある一本として記憶に残る。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    最初の難所で心が折れそうになるのに、気づくとまた電源を入れている。かわいいレイラとイリスの絵に誘われ、迷宮のような基地で迷い、弾が切れ、落とし穴に落ちる。それでも一歩先へ進めた時の喜びは格別だ。戻れない横スクロールだからこそ、踏み出した足跡がそのまま思い出になる。武器を拾った際の安堵と、隠された通路を見つけた小さな勝利。その積み重ねが、この奇妙な世界観を生活の中に浸透させる。後年、番組で大人が苦戦する姿を見て「そうだった」と笑えるのも、厳しさと懐かしさが同居している証拠だ。今なお色褪せない、冬の記憶の一本である。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(レイラ[DBF-LY])

説明書:レトロゲームの説明書保管庫(レイラ[DBF-LY])
※Layla[DBF-LY](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※レトロゲームの説明書保管庫様による保存資料です。権利は各社に帰属します。

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