ザ・ブラックバス

ザ・ブラックバス

ザ・ブラックバス

発売日:1987/02/06|価格:5300円|メーカー:ホット・ビィ|ジャンル:釣り

NAO: 初の釣りゲーなのに釣り心地が薄い…惜しい!
NATSU: 釣れるまでの地味さに耐えられるかが勝負。

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ザ・ブラックバスシリーズ

エピソード

  • トリビア

    1987年2月6日にホット・ビィから発売されたザ・ブラックバスは、価格は5300円でジャンルは釣り、ブラックバスだけを相手に一日を過ごす釣りシミュレーションとして、当時のファミコンの棚で強烈に異物感を放っていた。派手な敵も長い物語もなく、湖面の静けさと手元の操作だけで成否が決まる。シリーズの起点は1984年にパソコン向けとして始まった同名作で、GA夢という自社レーベルの初期主力としてPC 8801やFM 7などへ展開されたと取材記事は整理している。付属の解説書がバスという魚の説明や日本への移入史から書き起こし、日ごとに変わるポイントや水温や気候といった要素が釣果を左右するという、釣りの不確かさそのものを面白さとして語っていたという点も、この作品の志向を示している。

    遊びの核は、キャストしてから水中を見下ろす一連の手順にある。ルアーを選び、メーターで飛距離を測って投げ、湖底のサイドビューでルアーを左右に動かして食わせる。掛かったあとはゆっくり巻き取らないとラインが切れて魚とルアーを失うため、緊張は短い時間に凝縮される。日の出から日没までの制限で釣果を競い、初心者向けと記録向けの遊びが用意され、記録側ではパスワードで結果を残す方式が採られている。カートリッジ仕様として1Mと64KRAMが記録されている点も、この時期のソフトとして目を引く。

    開発の裏側は、当時の熱気がそのまま残る。取材記事によれば、企画立案は栗山潤で、社長から勝又と組むことと三か月で仕上げることを条件にされ、1986年6月の時点で企画が動いていたという。企画書では、ファミコンには本格的なシミュレーションが少ないという問題意識が明記され、気候や水温や時間帯や水深、バスの分布やルアー種類といったデータを活用しつつ、競う要素を足して音や動きも強化する方針が掲げられていた。実装面では、グラフィックツールで描いた絵をいったんコードに置き換えて印字し、それを打ち込んで反映させたという逸話まで残っている。遊びの構成も手堅く、バス釣り大会という舞台を置いて予選と全国大会を用意し、パソコン版にあった同行者の要素は外し、解説書には天気や水温や時間帯の考え方や誘い方の要点をまとめた必勝テクニックを付け、ルアーの説明も整えた。さらに余裕のある人向けとして、釣果に数えない珍魚を全国大会で表示する仕掛けも盛り込まれた。

    宣伝も釣り寄りの筋道が通っている。1987年2月号のファミリーコンピュータmagazineで4ページ紹介が組まれたほか、釣り雑誌フィッシングとの提携で読者プレゼントや誌上販売を行い、遊びのコンセプトに合わせた釣り人は、部屋にたてこもるというコピーまで用意していたという。英語版の整理では本作は日本のみで、海外展開は後年のシリーズ作品で実現したとされる。一方でMobyGamesは本作の発売をHot B、開発をAnotherとして記録し、ゲーム自体もシンプルさを売りにした釣りゲームとして説明している。こうした外向きの熱量に対して、実際の手触りはまだ硬派で、釣り心地の気持ちよさより手順の再現が先に立つ。だからこそ、釣れるまでの地味さに耐えた瞬間だけ、画面の静けさがそのまま緊張に変わり、短い成功体験が不思議に記憶へ刺さる。さらに後年には有志による英語化が語られることもあり、公式の枠外でもこの原点が掘り起こされ続けている。

  • NAO総評

    初の釣りゲーとして新ジャンルを切り開く野心は立派なのに、食う瞬間の手応えや駆け引きの見せ方が薄く、釣り心地が物足りないのが惜しい。とはいえ三か月開発や印字コードの手作業という逸話まで抱え、シミュレーション不在を埋めようとした1987年の実験は、当時の市場が求めた即効性と真っ向から噛み合わない挑戦そのものだ。釣り人は、部屋にたてこもるというコピーが示す通り、静けさを緊張に変える設計思想は今でも読める。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    釣れるまでの地味さに耐えられるかが勝負って、本当にその通りで、待っている時間が長いほど一本かかった瞬間の嬉しさが増していく。解説書が天気や水温や時間帯の考え方まで語るのも、上手さより気分を整えて釣りに向き合ってほしいからだと思うの。予選と全国大会で競わせつつ、釣果に数えない珍魚まで仕込んであるのが優しくて、遊ぶ側の余裕もちゃんと受け止めてくれる。湖面の静けさと夕暮れまでの焦りが混ざって、コントローラの小さな操作がそのまま胸の鼓動みたいに響く。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(ザ・ブラックバス[GAM-BO])

説明書:Internet Archive 所蔵版(ザ・ブラックバス[GAM-BO])
※Black Bass, The [GAM-BO](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照。権利は各社に帰属します。

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