燃えろ!!プロ野球

燃えろ!! プロ野球

燃えろ!! プロ野球

発売日:1987/06/26|価格:5500円|メーカー:ジャレコ|ジャンル:スポーツ

NAO: バントホームラン、この迷言につきます
NATSU: 友達と勝敗よりエラーで盛り上がった思い出

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燃えろ!!シリーズ

エピソード

  • トリビア

    1987年6月26日にジャレコからファミコンへ登場した燃えろプロ野球は、当時の野球ゲームの常識を中継番組の側へ引き寄せた一本だ。投手の後ろから打席を見下ろす視点を軸にして、審判の声や歓声を音声合成で鳴らし、テレビで見慣れた間合いをゲームの中に持ち込もうとした。容量面ではバンク切り換え方式も使い、十二球団を並べて一球団あたり三十人規模の選手を登録し、顔グラや能力差でそれらしく見せようとする。スコアボードの片隅に妙な単語が並ぶ演出もあり、海外版では審判名として扱われ、開発スタッフの名残だと語られている。発売直後から大ヒットし、ファミコン通信のクロスレビューでゴールド殿堂入りを獲得し、累計販売は百七十万本規模とされる。

    この作品の味は、リアル志向がそのまま危うさにもつながっている点にある。プロデュースを担った関雅行は野球好きで、家庭用オリジナルの野球ゲームを作る動機からこの企画が始まったとも書かれている。企画側は当初、別の野球ゲームを基準にして球場の空気を再現する方向で進めていたが、強力なライバルが現れたことで路線の再考を迫られ、中継視点や乱闘演出など差別化の要素を積み上げていった。ところが開発期間はおよそ半年程度とされ、完成間近でもデバッグが十分でないまま発売が前倒しされ、後から不具合が次々と見つかっていく。素振りを挟むと判定が偏るといったバグまで発覚し、差し替えが難しいマスクロムの事情の中で、修正版を別手段で作って出荷するという異例の対応が取られた。改修の結果、赤いカートリッジだけでなく黒いカートリッジの個体が存在し、どの版かで挙動が違うと言われるのも、家庭用ソフトがまだ生き物のように増殖していた時代ならではだ。さらに実名選手の扱いでは球団側から苦情が寄せられ、後の作品では偽名へ切り替えるなど、現実のプロ野球とゲームの距離感そのものが揺れていく。

    有名なバントホームランも、その揺れを象徴する出来事だ。開発責任者は、当時のヤクルトで大きな話題を呼んだ外国人選手の衝撃を受けて能力値の調整を指示し、それがバグの引き金になったと後年語っている。別の取材では、打球が壁に当たったかどうかを判定するための位置データの作り方が遠因になり、能力値の変更が重なって破綻したという説明も出ている。テレビ番組で語られた裏側では、発売直前により目立つ怪物打者を作ろうとしたことや、宣伝の反響が発売時期の判断に影響したことまで触れられ、ヒット作の陰で現場がどれだけ綱渡りだったかが見えてくる。遊ぶ側からすると、バグは理不尽でありながら、友だちの家で起きた珍プレーとして語り草にもなる。勝ち負けより先に笑いが立ち上がる瞬間があり、そこにこそ燃えプロの居場所がある。

    同時に、乱暴な伝説だけで終わらないのが面白い。実況ではなく審判の声という選択、フォームや顔をそれらしく見せる工夫、守備を自分で動かす忙しさ、ペナントを意識した遊び方など、野球を長く眺める人の欲求が随所に残っている。海外では別名で展開され、十二チームと三十人枠を前提にオーダーを組み、単発試合だけでなくペナントで遊べる作品として紹介された。のちにシリーズは改良版や続編へ連なり、バグをネタにした派生タイトルまで作られる一方で、ファミコン版そのものも移植や復刻が重ねられ、近年は権利元のもとで再展開も行われた。最後に残るのは、完璧な試合の記憶ではなく、みんなで突っ込みながら次の一球を待ったあの空気である。

  • NAO総評

    バントホームランが象徴するのは、笑い話だけじゃなく、当時の野球熱と技術欲が同じ鍋で煮え立っていた事実だ。中継視点と音声でリアルを狙い、選手の顔やフォームやデータまで詰め込む。ところが締切と経営判断で未完成のまま走り出し、バグが修正の痕跡まで残した。今遊ぶと操作の癖も荒さも見えるが、無茶な挑戦が先に来る感じが、昭和末期の熱に直結している。欠点を笑いながらも、次の一球を投げたくなるのが厄介だ。それが燃えプロの罪深さでもある。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    勝敗よりも、エラーや変な当たりが起きた瞬間に部屋が笑いで揺れる。燃えプロはそんな遊び方が一番似合うと思う。中継みたいな視点と声は当時の夢で、うまくいかない所まで含めて、みんなで突っ込みながら野球をしている気分になれた。大作感に胸が熱くなるのは、その無理のある豪華さがちゃんと見えるからだ。一人で黙々と詰めるより、友だちと交代しながら、今のは何だよって笑って、次はホームランを狙おうって盛り上がる。そういう時間までセットで思い出になる作品だね。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(燃えろ!!プロ野球 [JF-13])

説明書:Internet Archive 所蔵版(燃えろ!!プロ野球 [JF-13])
※Moero!! Pro Yakyuu [JF-13](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction_Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 / 権利は各社に帰属します

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