ファミリーマージャンシリーズ
エピソード
トリビア
1987/08/11にナムコから発売されたファミリーマージャンは、価格3900円でテーブルゲームとして並ぶけれど、名前の通り家族向けの顔つきのまま、最初の一局からわりと容赦なく打ち筋を試してくる。見た目のゆるさに安心して入ると、捨て牌の一枚で空気が変わり、何となく切った一手がそのまま失点の理由になる。麻雀は覚えることが多いと言われるけれど、この作品で迷子になりやすいのは役の暗記より先に、今は押すのか引くのかを一手ごとに決め続ける感覚で、そこで迷うほど本気の顔が見えてくる。
救いになるのは、初心者のつまずきを局の中で受け止める仕掛けが素直に用意されているところだ。初心者向けの対戦では、セレクトでサブコマンドを開き、局の最初からやり直す、相手の手牌を見て状況を確かめる、捨てる牌の助言をもらう、といった逃げ道がある。点棒が苦しくなると配牌時に役満チャンスの表示が出るなど、気分の折れ方まで見ている感じがある。操作も独特で、鳴きや立直を十字キーの方向に割り当てるから、慣れると迷いにくい反面、最初は指が追いつかない。二人打ちなのに自風に西北も含む設定が入り、西入や喰いタンなども選べるので、現実の雰囲気を借りつつ練習用に整えてある。点数は27000点持ちの30000点返しが基本で、上限は99900点とされ、長引きがちな麻雀を家の時間に収めやすい。六人の相手がいて、最強の師匠だけは約四秒の制限時間があり、止まると自動で牌が捨てられるが、ポーズで考える余地も残されている。だから初心者の遅さを少しずつ実戦の速度へ寄せていける。
裏側を支えるのは、開発に日本物産が関わったという記録と、当時の麻雀ゲームの空気だ。英語圏の資料でも日本物産が開発を担ったとされ、ナムコが家庭用に麻雀を出すにあたり経験値を外側から取り込んだ形が見える。印象に残るのは、人の声を使った効果音で、立直や和了だけでなく鳴きの呼び声も声で鳴ることがあり、テレビ番組で使われたと記されている。宣伝も凝っていて、島田紳助や西川のりおらが出演する連作のテレビコマーシャルが作られ、企画部長という設定の人物が持ち上げられる筋立てもあった。続編としてファミリーマージャンII、さらにナムコット麻雀IIIへつながり、後年には携帯向け配信や四人打ち対応版の記録も残る。見た目に反して打ち筋は本格的だった、と言いたくなる瞬間があり、初心者の練習用にはちょうどいい、と割り切ると肩の力が抜けて静かな一局が少しずつ面白くなる。遊び終えたあとに残るのは、初心者の練習台というより、こちらの迷いがそのまま映る鏡だったという感覚で、もう一局が欲しくなる。
NAO総評
柔らかい見た目に油断すると、すぐ手順の甘さを突かれる。ファミリーの看板なのに打ち筋は案外まじめで、押し引きの迷いがそのまま点棒に映る。助言もリトライもあるのに、師匠だけは四秒で急かしてくるのが時代の教育だ。家で麻雀を覚えさせたい欲望と怖さがぶつかる。静かなのに妙に刺さる一本。今も残る。
出典:NAONATSU総評
麻雀が分からないまま遊んでも、助言ややり直しで同じ局面を何度も触れるのがありがたい。声の効果音が鳴ると部屋の空気が一気に麻雀っぽくなるのも楽しい。強い相手は本当に容赦ないけれど、失敗した理由が少しだけ見えるから初心者の練習用にはちょうどいい。家族の前では攻めてしまい、一人だと守りに逃げる癖まで見えて面白い。
出典:NATSU
📘 説明書資料(ファミリーマージャン[NAM-FM])
説明書:Internet Archive 所蔵版(ファミリーマージャン[NAM-FM])
※Family Mahjong [NAM-FM](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照。権利は各社に帰属します。















発売日:1987/08/11|価格:3900円|メーカー:ナムコ|ジャンル:テーブル
NAO: 見た目に反して打ち筋は本格的だった
NATSU: 麻雀初心者の練習用にはちょうどいい