エピソード
トリビア
つっぱり大相撲を初めて触ると、見た目はゆるいのに対戦の中身がやけに手強くて、そこでまず迷子になる。相撲だから押して寄って投げて終わりだろうと思うのに、実際は相手の体力と自分の体力、組む距離、土俵の位置取りが全部つながっていて、雑に技を出すほど一気に持っていかれる。しかも勝ち上がるにつれて相手が露骨に強くなるから、勝ち筋が見えないまま番付だけが遠く感じる。ところが一度だけ、こちらの一手が気持ちよく刺さる瞬間がある。相手の攻めを読んで引き、間合いが噛み合ったところで技が決まる。すると急にこの作品が、スポーツゲームというより駆け引きのゲームに見えてくる。発売は1987年9月18日、テクモが開発しファミコン用として出した相撲ゲームで、後年もバーチャルコンソールなどで配信されている。
操作自体はシンプルだが、選べる行動の性格がはっきり違う。押しや寄りで土俵際へ追い込む動きと、つっぱりではじき返して間合いを作る動き、そして投げやつりで一気に形勢を変える動きがある。技は方向入力とボタンの組み合わせで出し分ける作りで、相手が何を狙っているかを読むほど熱くなる。 ここがNAOの言う意外に熱い駆け引きの正体で、格闘ゲームの読み合いに近い快感があると語られることもある。 さらにこの作品は対戦だけでなく出世モードがあり、前頭から横綱を目指して勝ち抜いていく。名前を付けて育てる感覚がある一方で、強くなった実感が出る前に負けが先に積み上がりやすいのも正直なところで、だからこそ一勝の重みが妙に大きい。
裏側情報でこの一本が忘れられないのは、ゲームの顔としてわかりやすい事件をわざと仕込んでいる点だ。いわゆるもろだしと呼ばれる特殊な決まり手が存在し、条件を満たすと相手のまわしが外れて屈辱演出になり、相手が土俵から逃げる動きまで用意されている。 NATSUの言う子供心の大事件はまさにここで、勝敗以上にその瞬間だけが記憶に焼き付く。真面目な相撲の形を借りつつ、家庭用の遊びとしての悪ふざけも遠慮なく混ぜる。その混ざり方が当時のテクモらしく、真面目に遊ぶほど読み合いが立ち上がり、みんなで遊ぶほど事件が起きる。音楽面でも後年のテクモ作品へつながる名前が見えていて、MobyGamesでは山岸継司と猪瀬祥希がクレジットされ、さらに山岸継司の作曲家としての出発点として語られることがある。 こうして振り返ると、つっぱり大相撲は相撲の再現度だけで残った作品ではない。技の読み合いという骨格と、忘れようのない事件演出という皮膚が、同じ土俵に同居してしまったから残った。
まとめとして、この作品の面白さは、相撲の形を借りた駆け引きが想像よりずっと濃いことにある。勝つために技を増やすのではなく、勝つために相手の癖を読む。負けたときは理不尽に見えるが、勝ったときは自分の読みが当たった気がする。そこへもろだしのような話題が混ざって、真剣さとおふざけが同じ思い出になっていく。ファミコンのスポーツ棚の中で、あの一本だけ妙に語りやすいのは、その両方がはっきり残るからだ。
NAO総評
技の駆け引きが意外に熱いという感想は正しくて、相撲の皮をかぶった読み合いゲームとして完成している。押しと寄りで雑に勝てるように見えて、距離と体力の管理を間違えると一瞬で崩れる設計が、むしろ格闘ゲームの初期みたいに骨太だ。もろだしのような事件で笑わせつつ、勝負そのものは真面目に噛み合う。この二段構えが、当時のテクモの手つきの良さを証明している。
出典:NAONATSU総評
子供心にあの場面は大事件だったというのは、勝った負けた以上に覚えてしまう強さがあるからだと思う。まわしが外れて相手が逃げるだけなのに、土俵の空気が一気に変わる。その一方で、普通に遊ぶとちゃんと怖い。読み負けると一瞬で押し出されるし、勝てたときは自分の手が届いた感じがする。笑いと緊張が同じ試合に入っているから、思い出がずっと濃いまま残る。
出典:NATSU
📘 説明書資料(つっぱり大相撲 [TCF-TM])
説明書:Internet Archive 所蔵版(つっぱり大相撲 [TCF-TM])
※Tsuppari Oozumou [TCF-TM](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction_Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 / 権利は各社に帰属します











発売日:1987/09/18|価格:4900円|メーカー:テクモ|ジャンル:スポーツ
NAO: 技の駆け引きが意外に熱い
NATSU: 子供心にあの場面は大事件だった、もろだし♪