ファミリーテニス

ファミリーテニス

ファミリーテニス

発売日:1987/12/11|価格:3900円|メーカー:ナムコ|ジャンル:スポーツ

NAO: 軽いノリかと思いきや、ガチ試合で親指が悲鳴をあげる
NATSU: キャラ性能差に泣かされた夜、でも家族で盛り上がったな

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エピソード

  • トリビア

    ファミリーテニスは1987年12月11日にナムコからファミコンへ出たスポーツゲームで、価格は3900円だ。名前だけ聞くと家族向けの気軽な一戦を想像するのに、いざ触ると最初の一球から迷子になる。走り出しが遅い選手だと返球に間に合わず、癖の強い打球を持つ選手だと自分の狙いより先に球が意思を持つ。軽いノリに見える三頭身の選手たちは、サーブの速さやフットワークや球の回転がはっきり差別化されていて、遊ぶ側の親指だけが真面目に鍛えられていく。だからこそ、負けた理由が運ではなく自分の反射と選択に収束していく感覚があり、もう一回だけが静かに積み上がる。画面は明るいのに、頭の中はずっと真剣勝負だ。それが不思議に楽しい。

    選べるモードはエキシビションとトーナメントとワールドツアーの三つだ。エキシビションは一試合だけの対戦で、二人なら向かい合って殴り合う形になる。トーナメントは交互に操作して最大八人の山を回せる仕組みで、勝ったら次も自分、負けたら次の人という家庭内ルールが自然に生まれる。ワールドツアーは十六人の中から一人を選び、六つの大会を勝ち抜く修行の形を取る。大会名は世界の主要大会を思わせる並びに、最後にコスモの大会まで混ざる。結果はパスワードで持ち越せるので、一晩で全部やり切れない難しさも前提にしている。意外なのはダブルスが用意されていないことで、家族向けの看板に反して一対一の緊張だけを磨く構成になっている。さらに観戦の選択もあり、選手はコンピュータ同士で勝手に打ち合う。自分が操作しない試合を眺めるのは一見無駄に見えるが、強い相手がどのタイミングで前へ出てどこへ打ち分けるかが見えて、次の挑戦の救いになる。

    裏側を知ると、この硬さにも筋が通る。ショットの回転やサーブ速度やフットワークまで数値で差を付けたとされ、ゲームデザインはアーケードでスカイキッドを手掛けた永島洋武、プログラムはワンダーモモに関わった弓達公雄、音楽は小沢純子が担当したとされる。スタッフのクレジットも審判や線審やチアのような役割名で遊びが入っていて、硬派な仕組みを作る人ほど名前の出し方で照れ隠しをするように見える。発売から間もない1987年12月には任天堂のブイエスシステム向けのアーケード版も稼働し、1997年にはゲームボーイのナムコギャラリーにも収録された。携帯電話向けにも複数回配信され、遊びの場所が居間から外出先へ広がった。さらに2025年1月9日にはブイエス版がアーケードアーカイブスとして現行機に移植され、当時の対戦卓の空気を家で再現できるようになった。別機種ではセンターコートという名で移植が予告された例もあったが、実際には世に出なかったとされる。

    そして印象に残るのは、現実のテニスを借りながら平然と嘘みたいな舞台を混ぜるところだ。コートはハードとグラスとクレイに加えて宇宙のコスモがあり、バウンドの高さや減速がはっきり変わるから、同じショットでも同じ手触りにならない。芝で低く滑る球や土で失速する球に裏切られて、いつもの安全策が突然危険になる。そこを越えると、このゲームが理不尽ではなく条件の読み合いで出来ていると分かり始める。12人の男子選手と4人の女子選手がいて、女子選手は男子より大きいラケットで当たりやすく、初心者の入口として設計されている。登場選手の名前や設定には当時の実在プロ選手を連想させる遊びが散りばめられていて、現実の大会名と並べても違和感がない顔で宇宙を混ぜてくる。気軽さの皮を被った修行に何度も負けて、それでもまたラケットを握ってしまう。その中毒の余韻こそが、この作品のいちばんの戦利品だ。

  • NAO総評

    家族向けの顔で売りながら、実態は一対一のガチ試合で親指が悲鳴をあげる。ダブルスを外し、選手性能とコート差で言い訳を奪い、負けを自分の反射へ戻してくる設計が冷静だ。ワールドツアーはパスワードで続けられるのに、続けるほど心が折れて、折れたぶんだけ手が勝手に上達する。実在選手を連想させる名前遊びや、役割名のクレジットで照れ隠しをしつつ、ブイエス版の復刻まで通すあたり、当時の娯楽産業のしたたかさが見える。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    キャラ性能差に泣かされた夜ほど、家族で一球に声をそろえた瞬間が思い出になる。最初は追いつけずに悔しいのに、観戦で動きを盗んで少しだけ返せるようになると嬉しい。大きいラケットの女子選手に助けられて、トーナメントを交代で回して、勝った人が次も挑むだけで部屋が小さな大会になる。クレイで失速する球に焦って、芝で滑る球に笑って、宇宙のコートでぽかんとして、気づけば次の大会を押している。負けてもまた集まれる気がする。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(ファミリーテニス [NAM-FT])

説明書:Internet Archive 所蔵版(ファミリーテニス [NAM-FT])
※Family Tennis [NAM-FT](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照。権利は各社に帰属します。

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