アイスクライマー

エピソード
トリビア
1988年にファミコンディスクシステム用として登場した『アイスクライマー』は、1985年のカートリッジ版をベースにしながら、アーケード向けに展開された「VS. Ice Climber」の要素を取り込んだ移植作です。家庭用ROM版に慣れ親しんでいたプレイヤーにとっては「同じアイスクライマーなのに難しい」と感じられるほど、全体の調整が厳しめになっていました。
ディスク版では、カートリッジ版にあった難易度設定が削除され、ゲームバランスが一段とシビアに。ステージ構成やグラフィックも部分的に差し替えられ、氷山を登る感覚そのものに変化が加えられています。さらにアーケード版由来の吹雪や風のギミックが導入され、操作のシビアさと相まって、より忍耐力が試される内容となっていました。
また、アーケードの「VS.」版では全48山が用意されていましたが、ディスク版はその仕様を踏襲しつつ家庭用向けにまとめられています。しかし“遊びやすさ”といっても難易度は高めで、ROM版で慣れたプレイヤーからは「敵配置やジャンプ判定が厳しい」「思った以上に進めない」との声が多く寄せられました。Amazonレビューや当時の雑誌記事でも、この難しさがしばしば指摘されています。
2人同時プレイはROM版同様に健在で、協力よりも妨害が起きやすい点もそのまま。Amazonレビューでは「兄弟で遊ぶと必ずケンカになる」「友情破壊ゲームの本命はディスク版」と語られ、ただでさえ難しい調整に加え、仲間割れの要素も重なって強烈な印象を残しました。
ROM版のテンポ感や素朴さに比べ、ディスク版はアーケード色が強い歯ごたえが特徴です。ファミコン黎明期のアクションが「よりゲーマー向け」に進化していったことを示す好例であり、ループ構造や野菜ボーナスといったおなじみの要素を残しつつ、違いを体感できる一本としてROM版と並べて語られる価値を持つ作品となっています。
出典:懐ゲー調べ
発売日:1988/11/18|価格:500円|メーカー:任天堂|ジャンル:アクション
NAO: 「協力のはずが足の引っ張り合い。友情崩壊ゲー筆頭。
NATSU: 兄弟で遊ぶと絶対ケンカ。思い出は笑いと怒号の混合。