美味しんぼ 究極のメニュー三本勝負

エピソード
トリビア
1989年7月25日にバンダイから発売されたファミリーコンピュータ用ソフト『美味しんぼ 究極のメニュー三本勝負』は、同名の人気漫画を題材にしたコマンド選択式アドベンチャーゲームである。価格は5800円で、当時テレビアニメ化も進んでいた美味しんぼの勢いに乗る形で登場した。タイトル通り三章構成で、第一章は「アンキモ、アンキモ、アンキモ!」という謎の呪文が有名なアンキモ勝負、第二章は京極万太郎を相手にしたもてなし勝負、そして第三章は完全オリジナルのラーメン勝負という流れで展開する。原作の空気感をベースにしながらも、ゲームオリジナル要素が強く、特に突飛な選択肢や理不尽なバッドエンドが大量に仕込まれていることから、原作ファンのみならずネタ好きのゲーマーにまで語り継がれる存在となった。ゲーム画面は典型的なアドベンチャー形式で、十字キーで選択肢を移動しAボタンで決定するシステムだが、選択肢に「ネコのまね」「ゾウのまね」「バカのまね」といった突拍子もない行動が混ざり、それを選ぶと即座にゲームオーバーになる場合も多い。こうした理不尽な展開は初見殺しの連続で、いわゆる“おバカアドベンチャー”としての評価を決定づけた。BGMもまた独特で、オリジナル曲ではなくクラシック音楽が流用されており、「エリーゼのために」「展覧会の絵」「トルコ行進曲」などが場面に関係なく使用されるため違和感が強いと同時に、そのチグハグさが逆に魅力として語られることもある。ゲーム全体に仕込まれたバッドエンドは15種類以上存在し、アンコウを殴って骨折する、警官に捕まる、あるいは「世の中がイヤになる」といった理由でゲームオーバーになるなど、バリエーションも豊富で、理不尽ながら笑える展開が多いのが特徴だ。第三章のラーメン勝負では銀座の街を4区画に分けて移動するシステムが採用されているが、実際に意味のあるイベントがあるのは最初の区画のみで、他は完全に無駄な移動空間だったという点もツッコミどころとして知られる。さらに、パッケージや販促では「原作者・雁屋哲書き下ろし」との触れ込みがなされていたが、実際にどの部分が雁屋の関与によるものなのかは不明であり、その曖昧さもまたゲームの怪しさを引き立てている。発売当時はキャラゲーとして注目されたものの、遊んでみると原作の人間ドラマや食文化の真面目さとはかけ離れたギャグ調の展開に多くのプレイヤーが驚かされ、結果的にファミコン後期の迷作として強い印象を残した。現在では当時を知るファンやレトロゲーム愛好家の間で「美味しんぼらしからぬ美味しんぼ」として語り草になり、アンキモの呪文や理不尽バッドエンドはネットスラング的に引用されることもある。料理を題材にしたゲームという珍しさも手伝い、真面目な原作を知る人ほどギャップに苦笑いしながらも記憶に残る作品として評価され続けている。
NAO:総評
バンダイのキャラゲーってロボとか戦隊が多いのに、そこに美味しんぼをぶち込んできたのは驚いたぜ。しかも推理じゃなく料理勝負のアドベンチャーだもんな、当時としてはかなりの変化球だよ。選択肢も「ネコのまね」とか「アンキモ三唱」とか、原作ファンが見たら腰抜かすようなネタばかりでさ。真面目にやろうとしたら即バッドエンド行き、ってのも理不尽で面白かったな。料理で真剣勝負する原作を、ファミコンでは迷作にしちまったあたり、ある意味バンダイらしい冒険だったんじゃないか?
出典:NAONATSU:総評
あの頃ってアニメも放送中で原作も人気絶頂だったから、ゲーム化って聞いた時は「料理で勝負ってどうなるの?」ってちょっとワクワクしたのよ。実際に遊んでみると、真面目に進めてるつもりでも変な選択肢に振り回されて、気づけば笑いながらリセットしてたっけ。推理じゃなく料理で勝負するって発想自体は新鮮だったし、当時は逆に珍しくてつい手に取った人も多いんじゃないかな。いまとなっては、真剣さとおバカさがごちゃ混ぜになったこの雰囲気こそ、ファミコン時代ならではの魅力に思えるわね。
出典:NATSU📘 説明書資料(美味しんぼ 究極のメニュー 三本勝負 [SHI-OS])
説明書:Internet Archive(美味しんぼ 究極のメニュー 三本勝負 [SHI-OS]) ※Oishinbo - Kyuukyoku no Menu Sanbon Shoubu [SHI-OS](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction_Booklet出典:※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 / 権利は各社に帰属します















































発売日:1989/07/25|価格:5800円|メーカー:バンダイ|ジャンル:アドベンチャー
NAO: バンダイのキャラゲー枠で美味しんぼ登場。推理なし料理ADVの挑戦。
NATSU: 推理じゃなく料理で勝負する発想が斬新。当時は逆に好奇心で手に取った。