高橋名人の冒険島シリーズ
裏技
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コンテニュー
ワールド1の1面終盤の隠しタマゴでハチ助を取る。ゲームオーバー画面で十字キーをどれか押しっぱなしにしてスタートで続きから再開。ワールド1の1面終盤の隠しタマゴでハチ助を取る。ゲームオーバー画面で十字キーをどれか押しっぱなしにしてスタートで続きから再開。
エピソード
トリビア
1986年9月12日にハドソンから発売された高橋名人の冒険島は、当時テレビや雑誌でアイコン化していた高橋名人を主人公に据えた横スクロールのアクションだ。さらわれた恋人ティナを救うために南国の冒険島を駆けるという筋立ては素直だが、遊び味は妙にストイックで、明るい絵柄と手触りの厳しさがねじれている。企画の源流にはセガのアーケード作品ワンダーボーイの移植があり、キャラクターの差し替えや要素の取捨選択を経たことで、原始的な島と現代の人気者が同居する独特の空気が生まれた。開発にはエスケイプと後のウエストンが関わり、音楽は竹間淳が担当している。ファミコン版では海や洞窟など場面ごとの曲も用意された。今でも耳に残る。
操作は走ると跳ぶが基本で、画面は右へ進む一方通行だ。最大の特徴は体力とは別に減っていくバイタリティで、フルーツを拾わないと飢えたように倒れてしまう。リンゴやバナナなどの食べ物は点数にもなるが、出現から時間が経つと点滅して消えるため、拾いに行くために危険へ踏み込む判断が常に迫られる。敵や穴やトゲは一撃が基本で、助かる余地はタマゴから出る道具に託される。敵の顔ぶれもカタツムリのスネイルやものみカラス、ヘビ、タコなどが次々に現れ、青いタコは二回当てないと倒れない。石オノは放物線で飛び、持ち替えればマジカルファイヤーになって岩を壊せる。スケートボードに乗れば速度が上がる代わりに止まれず戻れず、敵に当たるとボードだけが消えて命は拾える。ミスをすると武器も含めて持続系の効果をすべて失うので、安定を取るなら歩き、攻めるならボードで賭けるという性格の違うプレイが自然に生まれる。
旅は八つのエリアで構成され、各エリアは四ラウンドに分かれ、さらにラウンド内も四つのゾーンで区切られる。近道のワープは無いので合計三十二面を最後まで抜けるしかない。四ラウンド目はボスのキュラ大王戦になり、ここに入ると表示が消え、バイタリティが減らなくなるため、道中の飢えとは別の緊張が立ち上がる。タマゴは触れるか武器を二回当てて割る仕組みで、画面に最初から出ていない隠しタマゴもある。武器が地面に落ちる前に消える地点でジャンプすると出現するという手触りがあり、石オノで出せた原作と違って、知っているかどうかがそのまま差になる。さらに稀に隠しタマゴが出ない場所では武器を投げ続けることで雲が上がってきてボーナスステージへ行ける。ここは落下してもミスにならず、高得点のフルーツをまとめて稼いだうえで次のゾーンの始めへ移動できるため、厳しい旅の中の短い息継ぎになる。
固定タマゴの中にはミルクや得点二倍の花や妖精ハニーがあり、ハニーが付いている間は無敵で体当たりだけで敵を倒せる。逆に悪魔ナスビが付くとバイタリティが凄まじい速度で減り、高橋名人がナスを嫌いだという小話がそのまま仕掛けになっている。隠しタマゴはノーミスで取り続けると中身が変化し、ジュエルを重ねると四つ目で人形になって一機増える。鍵を取って特定のリフトに乗れば上へ運ばれてボーナスへ入れ、ハチ助を取ればゲームオーバー後に十字キーを押しながらスタートでラウンドの頭から続けられる。制作の裏側では、パッケージのティナが当初は露出の多い水着姿だったものの、国内向けの判断で一部をリボンで隠す修正が入ったという逸話が残る。人気は大きく、国内の累計出荷が百五万本に達したとされ、同年には世界観をベースにしたテレビアニメも始まった。ゲームは一日一時間という言葉が広まった時代に、とても一時間では終わらない難度を平然と差し出す。その矛盾すら、当時の熱と遊びの濃さを今に伝えている。
NAO総評
名人の名前が表紙にあると、設計まで名人が面倒を見てくれる気がする。ところがこの島は、飢えのゲージで急かし、一撃死で冷やし、隠しタマゴの知識でさらに差をつける。派手な看板と中身の硬派さの落差が、当時のタレントゲームの時代性そのものだろう。スケボーで攻めれば運に見えて、歩けば時間に追われる。結局バランスを取る側は主人公ではなくプレイヤーだ。ゲームは一日一時間と言われても、ここでは一回の失敗を一時間分反省させられる。それでも続けられたのは、ハチ助のコンティニューや得点の残機など、もう一回を素直に肯定する仕掛けがあるからだ。名人の看板は救済ではなく、挑戦状に近い。
出典:NAONATSU総評
最初はただ苦しいのに、フルーツを拾う音や卵が割れる手触りが気持ちよくて、気づけば次の面へ指が伸びてしまう。スケボーで勢いよく飛んで落ちた日も、歩いて慎重に越えた日も、全部が自分の地図になっていく。海や洞窟の曲が流れるだけで少し遠くへ来た気分になって、ティナを助ける理由よりも、昨日より進めた事実がうれしくなる。ボーナス面で息をついたあと、また飢えに追われながら走り出すあの感覚は、子どもの頃の根性そのものだった。友だちから隠しタマゴの場所やハチ助の続き方を聞いて、家で試しては笑った。難しさの中に共有できる楽しみがあった。
出典:NATSU
📘 説明書資料(高橋名人の冒険島 [HFC-TB])
説明書:Internet Archive(高橋名人の冒険島 [HFC-TB])
※Takahashi Meijin no Bouken-jima [HFC-TB](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction_Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 権利は各社に帰属します

















発売日:1986/09/12|価格:4900円|メーカー:ハドソン|ジャンル:アクション
NAO: 名人って実はゲームバランス考える側じゃないのよ。
NATSU: フルーツを集める爽快感と難易度のバランスが絶妙だね。