ボールブレイザー

ボールブレイザー

ボールブレイザー

発売日:1988/03/04|価格:5500円|メーカー:ポニーキャニオン|ジャンル:スポーツ

NAO: ルーカス印の期待を打ち砕く淡泊すぎる未来スポーツ

NATSU: 最先端っぽさに惹かれたけど、操作がまったく噛み合わず

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エピソード

  • トリビア

    1988年3月4日にポニーキャニオンからファミコンで出たボールブレイザーは、スポーツという札が付いているのに、最初の数試合はだいたい迷子になる。画面は格子状のフィールドと左右のゴールだけで、未来っぽいのに情報が少なすぎる。しかもルーカスフィルムゲームの名が箱にあるから、映画みたいな派手さや物語を勝手に期待してしまい、淡泊さに肩透かしを食う。友だちと2人対戦にしても、方向が思うように向かず、球の取り合いが雑に見えて、何を練習すれば強くなるのかが分からない。けれど、その違和感の正体をほどいていくと、この作品は派手さの代わりに、短い試合の中へ読み合いだけを濃縮した実験に近いと気づく。

    操作するのはロトフォイルと呼ばれるホバー機体で、フィールドを滑るように走り、プラズモーブという球を奪ってゴールへ運ぶ。特徴的なのは旋回に自動が混ざることで、球を持っていない時は球へ、持っている時は相手ゴールへと機体の向きが補助される。慣れるまではこれが操作の噛み合わなさに直結するが、逆に言えば、目先の入力よりも位置取りと先読みを要求される仕掛けでもある。相手と自分の角度が少しずれただけで次の旋回が裏目に出て球をさらわれるので、触っているのに自分が動かしていない感覚が残る。その代わり、相手の進路を塞いだり、ゴール前で待ち構えたりすると急に勝ち筋が見えてくる。得点も単純な積み上げではなく、合計10点を両者で奪い合う綱引きになっている。ゴールへ運び入れると1点、近距離のシュートは2点、遠距離のシュートは3点で、点が上限を越えると相手の点が減る。だから1回の大きな得点が流れをひっくり返し、逆転されてもまだ返せる余地が残る。さらにゴールは左右に動き、得点が増えるほど狭くもなるので、終盤ほど外した時の喪失感が重い。時間切れで同点なら延長はサドンデスになるため、最後の1本だけは妙に静かで、画面の格子が急に広く見える。

    裏側の話もこの作品らしく、見た目より技術と設計が前に出る。ボールブレイザーはルーカスフィルムゲームズが手がけ、当初はBallblasterという仮題で開発が進んだ。1984年3月には完成していたが、アタリがゲーム部門に資金を出し、完成作の優先購入権を持つ契約があり、その後の会社売却の影響で計画が崩れて流通が遅れ、最終的にEpyxが1985年に発売する形になった。試合中の音楽が状況に反応して揺れる感触も有名で、ピーター ラングストンが考案したriffologyという生成手法により、32個の短いフレーズを組み替えて曲を作り続ける。対戦の合間に流れるSong of the Gridは、同じ旋律に聴こえても毎回わずかに違い、勝てない夜ほどその違いばかり覚えてしまう。ファミコン版のカートリッジはUNROMの基板で、プログラム領域は128KB、グラフィックは8KBのCHR RAMを使い、電池バックアップは無いと記録されている。日本語版のゲームタイトル一覧では英語版と付記されていて、ローカライズよりも移植を優先した時代の気配が残る。CPU相手には段階があり、相手の癖が強くなるほど自分の立ち回りも整っていく。それでも派手な演出は最後まで増えない。だからこそ、夜更けにテレビの音量を下げて遊ぶと、格子の上の小さな差し合いが妙に大きく感じる。最先端の看板と、実験作の素っ気なさが同居したまま、1988年の家庭へすっと置かれた一本だった。

  • NAO総評

    ルーカスフィルムゲームの名に胸が上がるのに、画面は格子とゴールと球だけ。淡泊すぎる未来スポーツで期待を外しに来るのが1988年の面白さだ。しかも旋回が自動で入るから、腕前より噛み合わせの不満が先に立つ。だが得点が10点の綱引きになる設計と、状況で曲調が揺れる音楽の仕掛けは理知的で、一本調子に見える遊びへ批評の刃を通してくる。海外発の実験作を、UNROMの小さなカセットに収めて売り切る潔さも含めて。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    最先端っぽい見た目に惹かれて始めるのに、勝手に向きが変わったり、球に吸い寄せられたりして操作が噛み合わない。悔しくて何度も遊ぶうちに、点が10点の綱引きで、遠くから決めるほど一気に流れが変わると分かって少し救われた。ゴールが動いたり細くなったりするのも意地悪で、でも勝てた夜だけは静かな音楽まで味方に聞こえて、家のテレビの前で小さくガッツポーズしていた。次こそ上手くいく気がして、明日も触りたくなった。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(ボールブレイザー [PNF-BZ])

説明書:Internet Archive 所蔵版(ボールブレイザー [PNF-BZ])
※Ballblazer [PNF-BZ](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照。権利は各社に帰属します。

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