ドラゴンスレイヤーシリーズ
エピソード
トリビア
1987年7月17日にナムコから発売されたドラゴンスレイヤーIVは、題名の数字だけで背筋が伸びるのに、遊び始めるといきなり置いていかれる不思議な作品だ。地下迷宮のどこかに隠された宝冠を四つ集め、最後はドラゴンを倒す。その筋は分かりやすいのに、地図は無く、行き先を示す案内も無い。しかも主人公は一人ではなく家族で、家を拠点に交代しながら潜る。画面の最初に並ぶのは父母と子どもたちとペットで、ここで誰を選ぶかがそのまま難易度になる。父は攻撃力が高いが跳躍が低い。娘は高く跳べるが別の役目を負う。母は特定の道具を扱える役目を背負い、息子は物語の中心にいるのに序盤はひ弱い。強い代わりに出来ないことが必ずあり、弱い代わりに通れる道が必ずある。だから一周目は、手持ちの情報だけで迷宮を歩き、細かい条件に引っかかって詰まった気分になりやすい。
遊びの芯は探索型のアクションで、迷宮は複数の区画に分かれ、宝冠を守る強敵を目指して遠回りと戻り道を繰り返す。区画ごとに特徴が違い、背景音楽まで変わるが、何より設計の意地悪さが同じだ。ある場所は特殊なブロックを動かせないと進めず、ある場所は特定の道具でしか壊せない壁がある。敵は無限に湧き、倒すと気持ちは良いが、攻撃そのものが魔力を消費するので、撃ちすぎると探索が苦しくなる。家から持ち込める道具の数にも制限があり、持って行かなかっただけで門前払いになる場面も出る。店や宿が点在しているのは救いだが、そこへ辿り着くまでがまず試練だ。つまりこのゲームは、地図を与えない代わりに、家族の特性と道具の選択で自分の地図を作らせる。正解の道は一本ではなく、失敗の理由も一つではない。だから戻って来た時に、次は誰で行くかを考える時間が一番の進行になる。家に戻れば交代とパスワードで区切れるのに、迷宮の中は常に迷子のまま進む。この感触が、後年で言う非直線型のアクションRPGの早い例として語られる理由でもある。
裏側の事情を知ると、この突き放した作りにも納得が増える。本作は日本ファルコムが手がけたドラゴンスレイヤーシリーズの第四作で、先にMSX2で発売され、その一週間後にファミコンへ移された。ファミコン版はナムコが発売を担当し、海外では別名で紹介されたこともある。つまり題名の四はファミコンの四ではなく、パソコン側で積み上がっていた系譜の四だ。だから三は何だという疑問が自然に出るし、前提が無いまま難所だけが手元に来る。その時代のねじれが、ファミコン世代の迷子感を強めている。物語の核は、迷宮の奥で封じられたドラゴンを討つために、宝冠に守られた魔剣を探すというものだが、説明の多くは説明書側に置かれていて、画面の中は沈黙が多い。沈黙の代わりに残るのが、家族で役割分担をしないと宝冠に届かない仕掛けだ。父が動かせるもの、母が扱えるもの、娘だけが壊せるものがあり、宝冠がそろって初めて息子が最後の役目を果たせる。設定上は一家の姓がクレジットで別名になっているともされ、シリーズ名そのものも略称として家族名に溶け込んでいる。同居させて、今でも記憶に残る味になる。迷宮のドラゴンはキイラという名で、封印が弱まる前に家族が動き出すという導入も、当時らしい紙の物語と画面の体験が噛み合う。制作面ではデザイナーに木屋善夫が名を連ね、音楽には古代祐三と石川三恵子が参加しているとされる。派手な演出で引っ張るより、発見と失敗の反復で自分の攻略メモが育っていく。その手触りが、細かすぎて詰むという愚痴を、いつの間にか自分の冒険談に変えてしまう。
NAO総評
細かすぎて一周目で詰むという感覚は、この作品が最初から地図も道筋も渡さず、家族の能力差と持ち物制限で正解を絞らせる作りだからだ。父は強いが跳べず、娘は跳べるが戦えず、母は特定の道具の担当になり、息子は最後の鍵役なのに序盤は弱い。目的は宝冠四つだと分かっても、どこで誰を使うかが見えない。しかも番号が四なのに三が無いように感じるのは、ファミコンで突然シリーズ名が降ってきたせいで、歴史の前提が省かれたからだ。迷子を作る仕組みがそのまま魅力にもなっていて、一本でも攻略メモが育つと急に世界がほどける。
出典:NAONATSU総評
兄弟を助けてる場合じゃない難しさなのに、家に戻って次は誰で行くか考える時間が、少しだけ冒険っぽくて好きだった。宝冠を一つ見つけた瞬間に胸が跳ねるのに、帰り道で落とされて手ぶらで家に戻る。悔しいのに、次は靴を持たせようとか、娘なら届くかもとか、家族会議みたいに作戦が増えていく。番号が四なのに三が見当たらない不思議さも含めて、最初は置いていかれる。でも一度道がつながると、広い迷宮が自分の家の庭みたいに感じられて、地味でも忘れにくい。
出典:NATSU
📘 説明書資料(ドラゴンスレイヤーIV [NAM-DS4])
説明書:Internet Archive 所蔵版(ドラゴンスレイヤーIV [NAM-DS4])
※Dragon Slayer IV - Drasle Family [NAM-DS4](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction_Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 / 権利は各社に帰属します














発売日:1987/07/17|価格:4900円|メーカー:ナムコ|ジャンル:アクション
NAO: 細かすぎて1周目で詰むんだよな、てか3は?
NATSU: 兄弟助けてる場合じゃない難しさ