エピソード
トリビア
銀河の三人は1987年12月15日に任天堂から発売されたRPGで、価格は5000円だ。宇宙戦争のさなか、地球軍は追い詰められ、たった三人の地球戦士に逆転の望みを託す。こう書くと王道なのに、実際に触れると最初の一時間は迷子になりやすい。宇宙空間の移動は距離や燃料感覚が独特で、目的地に向かっているはずなのに敵影ばかりが現れ、しかも戦闘画面は視界が狭くて情報量が多い。さらに惑星に降りると雰囲気が変わり、シェルターを探索する場面が混ざってきて、何を優先すべきかの判断がずっと難しい。任天堂の箱に入った作品らしい安心を期待すると、その分だけ戸惑いが増えるタイプだ。
ただ、その不親切さは理不尽というより、作りの癖を理解した瞬間に別の顔を見せる。主役は三人といっても、最初から横並びではなく、同行者のブルーと、途中で仲間になるリミの役割がはっきり分かれている。宇宙戦では装備や弾数の管理が重く、攻撃も一発の重みがあるから、雑に突っ込むほど消耗が早い。そこで救いになるのが、地球軍ステーションで回復し、パスワードを確保して仕切り直せる流れだ。遊びのリズムが、前進よりも往復に寄っている。強引に突き進んで詰まるより、戻って整えて、次の一歩を選び直す方が強い。そういう設計に気づくと、ガチャガチャして見えた要素が、実は生存のための手札として並び替わっていく。見とれている暇がないほど厳しいのに、分かった途端に中毒性が立ち上がるのが、この作品の意地悪な魅力だ。
裏側の話を知ると、その感触に答え合わせが入る。銀河の三人はパソコン向けRPGの地球戦士ライーザを土台にした移植で、ファミコン版ではタイトルが変わっている。事情の一つとして、元の名前に関する商標の問題があったとされている。また、ファミコン後期の空気の中で、あえて容量が小さいROMで作られたという開発談も残っていて、その制約が画面の簡潔さや情報の詰め方に影を落としている。さらに外せないのが、永井豪のキャラクターデザインと、高橋幸宏の作曲だ。箱絵の濃さとゲーム画面の硬さのギャップは強烈で、戦闘曲にはYMOで知られるリュウイチではなく、別の意味で耳に残る未来感がある。宇宙戦争の物語と、当時のクリエイターの名前が同居するせいで、作品全体がどこかよそよそしいのに、目を離すとすぐ事故る。だからこそ、怖いもの見たさで次の航路を選んでしまう。遊び終えた後に残るのは達成感よりも、あの時代のSF熱と、家庭用に詰め込む無茶の手触りだ。
NAO総評
任天堂のRPGという肩書きに身構えると、逆に足をすくわれる。画面も情報も整理されているようで、実は意思決定の負荷がずっと高い。未来感の外装は立派なのに、プレイヤーには遠慮がない。妙にガチャガチャして見えたのは、制約の中で要素を押し込んだ結果でもあり、慣れた瞬間に中毒へ変わるのが厄介だ。遊び手の順応が試される。
出典:NAONATSU総評
RPGのつもりで始めると、行動の一つ一つが命取りで、気持ちが追いつかない。惑星に降りた途端に空気が変わって、きれいだと思った次の瞬間にやられてしまう。その繰り返しで何も盗めず帰ったような気分になるのに、ステーションに戻って立て直すと、また次を見たくなる。街と迷宮の往復に近い中毒が、宇宙で起きるのが忘れられない。
出典:NATSU
📘 説明書資料(銀河の三人 [HVC-GT])
説明書:Internet Archive 所蔵版(銀河の三人 [HVC-GT])
※Ginga no Sannin [HVC-GT](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照。権利は各社に帰属します。












発売日:1987/12/15|価格:5000円|メーカー:任天堂|ジャンル:RPG
NAO: 任天堂初RPGらしいけど、妙にガチャガチャしてた記憶
NATSU: RPGの皮を被った難解アクションに当時は撃沈