覇邪の封印

覇邪の封印

覇邪の封印

発売日:1987/10/23|価格:5800円|メーカー:アスキー|ジャンル:RPG

NAO: 世界観は神だけど進行が神頼みって言われがちだった
NATSU: 迷いながら進む感覚がむしろ冒険してる気分だったな

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エピソード

  • トリビア

    1987年10月23日にアスキーから5800円で出た覇邪の封印は、RPGの顔をしているのに、最初の一歩でいきなり迷子になるタイプだ。町に入っても親切な矢印は出ないし、強そうな場所へ踏み込めば容赦なく返り討ちになる。世界観は確かに神がかっているのに、進み方だけは神頼みみたいに感じてしまう。このちぐはぐさが、当時の硬派なパソコンRPGの空気をそのままファミコンへ持ち込んだ結果で、まずは自分の足で情報を集めて、世界のルールに追いつくしかない。

    遊びの芯は、歩いて探して、会って聞いて、少しずつ許可を得ていく手触りだ。魔術品は手に入れてもすぐ使えず、町の長老にお金を払って使い方を聞く必要があるし、武器や防具は使うほど消耗して壊れるから、鍛冶屋に修理してもらうか、思い切って雇って面倒を見てもらう発想が出てくる。さらに厄介で面白いのが知名度で、敵を倒すことがいつでも正義にならない。地元で慕われる存在を倒すと知名度が下がり、逃げても下がり、町での買い物や情報収集まで不自由になる。つまり何を拾うか以前に、何と戦い、どう振る舞うかがゲーム進行そのものに直結している。知名度が上がると国王に認められて牙を集めるライセンスがもらえ、牙を換金して資金を回し、集めた量によって特別な武器へ届く道も見えてくる。ただしファミコン版はバッテリーバックアップがなく、ターボファイルがない場合は100文字以上のパスワードを控える必要があり、冒険の熱より先に手帳の気力が試される。

    裏側の事情も、この作品の癖を説明してくれる。もともとは工画堂スタジオのパソコン向けRPGで、移植を重ねても布製のワールドマップとメタルフィギュアが同梱されたのは珍しいこだわりだし、パソコン各機種版にはプレイ中のBGMがなく、セガマークスリー版とファミコン版では移植に合わせてそれぞれ独自のBGMが追加された。パッケージの女性形の魔物がラスボスのテラリンであることも、最初の印象を不穏にする小ネタとして効いている。海外では別題で出た版では表紙表現が変えられた話も残っていて、同じ内容でも見せ方が土地の都合に合わせて調整される時代だったのがわかる。ファミコン版そのものもアスキーから発売され、主人公名がアーガスで固定されるなど、移植というより再編集に近い割り切りが混ざる。さらに続編として新覇邪の封印がメガCD向けに予告されたが発売中止になったという事実まで含めて、この世界は広がりそうで広がりきらない余韻を残す。

    結局のところ、覇邪の封印の面白さは、最初の迷子感が消えた瞬間にやってくる。知名度と牙と修理という地味な仕組みが噛み合い、世界が少しずつ自分の行動を認め始めると、歩いて聞いて書き留めた記憶が、そのまま冒険の骨格になる。ファミコンの画面は素朴でも、同梱物を机に広げて、長いパスワードを握りしめて、次の町へ進む。あの頃のRPGが持っていた不便さと誇りが、今もここに封印されている。

  • NAO総評

    世界観は確かに強いのに、進行が神頼みっぽく見えるのは、知名度と情報制限がプレイヤーの倫理まで巻き込むからだと思う。倒して稼ぐが通じない場面があるのに説明は少ない。この不親切さを鍛冶屋やまじない師の雇用で金で解決できる設計が、当時のパソコンRPGの価値観をそのまま持ち込んでいて面白い。しかも百文字級のパスワードで現実にメモを要求するのが、ゲーム外まで含めて儀式みたいで、結果として忘れにくい一本になっている。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    迷いながら進む感覚がそのまま魅力で、最初は何を信じればいいのかわからないのに、少しずつ世界のルールが見えてくると急に愛着が湧く。敵を倒すだけが正解じゃなくて、知名度が落ちる怖さに気づいた瞬間から、歩き方が変わるのが不思議だった。布のマップやメタルフィギュアを広げて遊ぶ前提の空気もあって、机の上まで冒険に巻き込まれる。長いパスワードを書き留める手間さえ、当時の夜の思い出として残る作品だと思う。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(覇邪の封印 [HSP-08])

説明書:Internet Archive 所蔵版(覇邪の封印 [HSP-08])
※Haja no Fuuin [HSP-08](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照。権利は各社に帰属します。

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