花のスター街道

花のスター街道

花のスター街道

発売日:1987/03/17|価格:5300円|メーカー:ビクター音楽産業|ジャンル:アクション

NAO: アイドルを目指すゲームなのに、暴走族とケンカ上等!?
NATSU: パッケージ詐欺という言葉が生まれそうな展開。ギャップが凄い。

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エピソード

  • トリビア

    1987年3月17日にビクター音楽産業から発売されたファミリーコンピュータ用の横スクロールアクションで、芸能界を舞台に二人組の新人がスターを目指すという、当時としても珍しい題材を正面から押し出した一本だ。主人公はハタノ・モエタとトヨタ・ゴローで、地方から上京し、売り込みや舞台を重ねて成り上がっていく。ステージは原宿や青山、新宿、渋谷、六本木といった街の名前がそのまま看板になり、スタジオJVCやスタジオアルタ、武道館のような実在名が目標として置かれる。分岐のある渋谷ではホールを探し当てる感覚が強く、最後は海外進出としてニューヨークの会場で公演を成功させる流れへつながる。ところが展開は甘くなく、道中は敵や落下物に囲まれ、夢の道のりがそのまま体力勝負に変わっていく。アイドルの成長物語を期待すると肩透かしになりやすいが、芸能界の華やかさをゲームの地形に置き換えた結果として、東京の街を突破すること自体が主役になっているところが、この作品の独特な味になる。

    ゲーム性の核は、二人を同時に操作する仕組みにある。左右への移動やジャンプなど二人は同じ動作をし、十字ボタンの上下で二人の距離だけを変えられるため、狭い足場や敵の配置で位置取りが崩れると一気に苦しくなる。しかもどちらか一人でも残り人数が尽きればそこで終わりなので、片方だけが引っかかる瞬間がそのまま緊張の山場になる。攻撃は歌から放つカリスマ波で、敵を一発当てて動きを止め、その間に挟み込むと倒せてアイテムを落とすという発想が面白い。だが例外的な敵もいて、止まらない相手や複数回当てないと倒れない相手、挟み込み自体がミスになる相手も混ざるので、手順を覚えるほど神経がすり減る。各ステージは歩道橋や地下道で複数エリアを行き来し、外の通りで目当ての建物を探し当てた後、建物の中の迷路を抜けてゴールへ向かう二段構えになっている。条件を満たさないまま建物に入ると外へ追い出されるため、必要数のゴールドディスクやクリア用アイテムを抱えたまま、二人そろってゴールに乗る段取りが求められる。被弾するとクリア用アイテムを落としたり、ゴールドディスクが減ったりしてやり直しになり、時間と体力が静かに削られていく。上部のハートは制限時間を表し、なくなると二人同時にミスになる。ただし建物に入れば全回復するため、街中での危険回避と建物への退避がリズムになる。また楽器のアイテムを取ると一定時間無敵になり、苦しい場面を押し切るためのご褒美にもなる。隠しアイテムを集めていくと隠しステージが開き、通常5つに加えてもう一面が遊べるという構成も、見た目以上に探索を促す仕掛けだった。

    裏側の面白さは、発売元であるビクター音楽産業が開発も手がけた点にある。レコード会社が自社の色をゲームに持ち込み、二人の武器を歌にし、舞台をスタジオやホールへ向かう道のりにした発想は、同社ならではの看板勝負だった。クレジット上ではプロデュースが一名のみとして記録され、コマーシャル映像も後年まで確認できる。ここには当時の空気も濃い。原宿や青山といった地名がそのままステージ名になるのは、雑誌やテレビが作った都会のイメージが強い時代ならではで、スターへの近道が東京の地図の上に敷かれている。いっぽう評価は厳しめで、当時の雑誌採点ではファミコン通信のクロスレビューが合計20点となり、ファミリーコンピュータMagazineの読者投票も総合15.07点と高得点とは言いにくい。斬新さはあるのに、二人同時操作がそのまま負担として残りやすく、華やかな設定が、プレイヤーには地味な耐久戦として刻まれてしまう。だからこそ語り草になり、後年は珍作として紹介されることも増えた。さらにゲーム開発事業は譲渡を経て現在は別会社へ引き継がれたとされ、一本の奇妙な挑戦が企業史の端にも残る。スターを目指す青春譚というより、1987年の街と業界の熱気を、無茶な仕組みごとカセットに封じた記念碑として、この作品は忘れにくい。

  • NAO総評

    スターを目指す物語の体裁なのに、実態は二人同時操作の耐久アクションで、段差に片方が引っかかった瞬間に計画が全部ほどける。カリスマ波で止めて挟み込む発想は斬新なのに、例外の敵や迷路の建物が待ち構えていて、上達というより我慢の記憶が積み上がる。ゴールドディスクを落としてやり直すたび、スター街道が寄り道だらけの修行道に変わる。制限時間のハートが減る感触まで、焦りを演出するのが妙にうまい。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    コミック的な華やかさを想像して触ると、最初に来るのは地味で手強い街歩きと、条件をそろえて建物の迷路を抜ける反復でびっくりする。でも二人が同じ動きをして、距離だけを調整しながら進む感覚は不思議に胸に残って、息が合った瞬間だけ本当にスターへ近づいた気持ちになれる。地名がそのままステージ名になるだけで、当時の都会への憧れがよみがえるのもずるい。苦しいのに、次はもう少しだけ息を合わせたいと思ってしまう。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(花のスター街道 [VFR-H1-02])

説明書:Internet Archive 所蔵版(花のスター街道 [VFR-H1-02])
※Hana no Star Kaidou [VFR-H1-02](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction_Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 / 権利は各社に帰属します

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