とびだせ大作戦シリーズ
ファミコン3Dシステムシリーズ
エピソード
トリビア
1987年12月7日にスクウェアから発売されたファミコン用ソフトのJJは、価格4500円で、走りながら撃って飛び越える三次元のランゲームとして作られた。タイトルだけ聞くと軽い印象なのに、箱と起動直後の雰囲気は硬い。そもそも本作はとびだせ大作戦の続編として出たが、ディスクではなくロムカセットになり、見た目もコミカルさより生物的で機械的な外見へ寄せられている。前作を知っているほど、同じ系統のゲームだと気づくまでに一拍かかる。そのうえ最初のステージから前作の裏面のような高速スクロールで進むため、画面の奥へ突っ込んでいく視点と、こちらへ迫る敵や穴が同時に押し寄せ、何を優先すべきか迷子になる。
操作は単純で、進行方向へ走り続けながら敵を避け、穴をジャンプで越え、状況によっては射撃で切り抜ける。障害物には柱のようなコマンドタワーがあり、ぶつかるとアイテムが飛び出すことがある一方で、デビルタワーのように触れた瞬間にミスになるものもある。主人公の動きに合わせて位置を変えるポトスや、接触すると強制ジャンプさせられるバランサーもいて、落下の危険と着地点の読みが常にセットになる。アイテムも用意されていて、射撃手段のサイコバスターや無敵化するバリアスーツ、残機が増えるクローンパーツ、時間表示を回復するライフセーバーなどが、息継ぎのように助けになる。ただ助けが常に手元にあるわけではなく、ミスをすると有利要素が消える場面もある。美しさに見とれていたら即死という感覚が、仕組みとしてこちらを追い込む。
裏側の話として本作を語るなら、立体表示の扱いが象徴的だ。前作は赤青メガネで立体に見せたが、本作ではファミコン3Dシステムを別途用意すると立体表示モードが選べる。この周辺機器は左右別々の映像を高速で交互表示し、眼鏡形状のスコープの液晶シャッターを開閉させる方式で立体視させる。対応テレビは不要でも、スコープをかけないと二重に見えるだけで、チラつきが目立つなど弱点も抱えていた。対応ソフトは七本で終わり、展開も一年ほどで途絶えたとされる。その限られた枠にJJが入っているのは誇らしくもあるが、同時に遊び手を選び、続編なのに目立ちにくい条件もそろってしまった。制作面でも興味深く、プログラムはナーシャジベリ、音楽は植松伸夫が担当したとされる。英語版の解説では、本作がファイナルファンタジー開始前の最後の作品として触れられている。海外では本作自体が日本のみの発売として扱われ、知る人ぞ知る続編になった。
小ネタと答え合わせの気持ちよさは、ゲーム内の細部にも残っている。ボスはサイバネスドラゴンと呼ばれ、惑星トキダレアに収容された凶悪犯を竜のような姿に改造した存在だという設定が付く。物語を長々と語らず、見た目の硬さに理由だけ添える割り切りが、当時の勢いを感じさせる。さらに正式なタイトル画面とは別に、ゲーム開始の前後にデモのような画面が挟まる構成があり、元はディスクの都合でそうした作りにしていたのに、ロムカセットの本作でも仕様が引き継がれている。しかもその画面のテキスト領域には、本来とは別の題名が表示される仕掛けが残っていて、スクウェアプレゼンツに続く行でジャンプの綴りを誤った語が残る。ディスク時代の都合と、作り手の内部呼称の名残が同じ画面に同居しているのが、当時の現場の温度として面白い。評価面でも突出した持ち上げられ方ではなく、尖った個性と厳しさが先に立つ作品として扱われた。飛び出すはずのランナーが飛び出しきれず、埋もれたまま終わったように見えるのに、ふとした瞬間にだけ、立体表示と疾走感がぴたりと噛み合う。その一瞬があるから、忘れた頃にまた起動してしまう。
NAO総評
続編なのに誰も気づかない影のパート2という評が刺さるのは、JJが遊びの入口からして選別を始めるからだ。立体表示という野心と高速スクロールの厳しさが同居し、面白さは理解できても気軽には薦めにくい。周辺機器の短命さまで抱えた結果、名よりも仕掛けが先に立ち、作品の輪郭が静かに薄れる。その薄さこそが、当時のスクウェアの実験精神の証拠でもある。後の大作の序章として美化する気はないが、ここでの無理のある挑戦が、80年代後半の空気をそのまま閉じ込めているのが皮肉に面白い。
出典:NAONATSU総評
飛び出さずに埋もれたまま終わったランナーという言葉が、そのまま心のメモになってる。走り続ける画面はきれいなのに、穴と敵の距離感がつかめなくて、見とれた瞬間に落ちる。だけど何度か越えられた夜だけ、立体の奥へ抜ける感覚が気持ちよくて、悔しさごと懐かしさに変わっていく。スコープをかけると画面が別物になって、家族に見せても伝わらないのが切なかった。続編と知らずに手に取った人ほど、置き去りにされた感じが残ると思う。それでも音と速度に慣れた瞬間、意地悪さが小さな達成感に変わるのが好き。
出典:NATSU
📘 説明書資料(JJ [SQF-JJ])
説明書:Internet Archive 所蔵版(JJ [SQF-JJ])
※JJ [SQF-JJ](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照。権利は各社に帰属します。



















発売日:1987/12/07|価格:4500円|メーカー:スクウェア|ジャンル:アクション
NAO: 続編なのに誰も気づかない影のパート2だった
NATSU: 飛び出さずに埋もれたまま終わったランナー