エピソード
トリビア
1987年6月30日にタイトーから発売された未来神話ジャーヴァスは、荒廃した地球へ戻った宇宙船の生存者が、七つの大陸を巡って支配者を倒し、世界の頂点を目指すアクションRPGだ。メディアは2メガビットに加えて64キロのRAMを積んだ構成で、ファミコンRPGとして早い段階からバックアップによるセーブを前面に出した。セーブできること自体がご褒美だった時代に、遊びの継続を仕組みで支える野心があった一方、始まった瞬間に広いフィールドへ投げ出され、何をすれば進むのかが見えにくい作りが強烈に記憶へ残る。町へ辿り着いても手がかりは細く、行き先と目的を自分の足で掘り当てるしかない。だからこそ、当時の子どもにとっては冒険というより遭難で、後年は不親切さの象徴として語られやすい。
遊びは見下ろし視点のフィールド探索が中心で、敵と接触すれば戦いが始まる。世界は広いのに主人公の移動は遅く、攻撃の間合いも厳しめで、慣れるまでの消耗が大きい。さらに金策や回復の感覚も分かりにくく、ひとつ仕組みを理解するまでに長い試行錯誤を要求する。ところが理解が進むと、名声を稼いで仲間を集め、城へ攻め込むという大きな骨格が見え、ここで初めてスケールの大きさが形になる。大陸を制圧していく発想と、家庭用で長編を回すためのセーブの導入は、時代を先取りした部分でもある。ただしセーブは万能の救いにならず、地雷だと評されるほど癖が強い。便利さが安心に変わらない緊張があり、うっかりした判断が取り返しにくい感触が、恐さとして残る。
この作品が伝説になった理由は、単に難しいからではなく、野心と導線の落差がそのまま体験に刻まれるからだ。世界地図を核にした構想が、別の大作の制作現場で話題に上ったという逸話も残っており、同時代のRPGが互いを強く意識していたことがうかがえる。つまり未来神話という題名は、ゲーム内の物語だけでなく、当時の作り手が抱えた競争と実験の空気まで含んで似合ってしまう。何をして良いのかちんぷんかんぷんで、説明不足に戸惑い、ようやく意味を見つけたと思ったら別の壁が来る。その積み重ねが、遊びの快感より記憶の傷として残り、いつしか語り継がれる呼び名まで背負った。荒さを抱えたまま前へ進むしかない体験が、今もなお忘れにくい。
NAO総評
バックアップ対応の早さは確かに革命だったのに、この作品は親切の顔をして不親切を隠すのが厄介だ。開始直後に広い世界へ放り出し、町で得られる助言も薄いから、何をしたら進むのか自力で掘り当てるしかない。しかもセーブが地雷と評される癖の強さで、立て直しにくい状態を自分で確定させてしまう怖さまである。電池交換の工夫まであるのに遊びの案内は置き去りで、世界地図の発想が他作に影響したという逸話まで含めて、野心の未整理さが際立つ。
出典:NAONATSU総評
セーブできるってだけで当時は心強いはずなのに、この作品は保存が安心に変わらないのが怖い。広い世界で何をすればいいのか分からず、やっと町へたどり着いても手がかりが細くて、歩き回るうちに心が折れそうになる。それでも名声を稼いで仲間を集め、城へ向かうという大きな目標が見えてくる瞬間があって、そこだけは本当に胸が熱い。だからこそ、うっかりしたセーブで詰んだ時の悔しさが記憶に焼き付く。今でも二度と忘れない。
出典:NATSU
📘 説明書資料(未来神話ジャーヴァス [TFC-MJ5500])
説明書:Internet Archive 所蔵版(未来神話ジャーヴァス [TFC-MJ5500])
※Mirai Shinwa Jarvas [TFC-MJ5500](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction_Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 / 権利は各社に帰属します












発売日:1987/06/30|価格:5500円|メーカー:タイトー|ジャンル:アクションRPG
NAO: バックアップ初対応。だけどすぐ消える悲劇
NATSU: セーブしたら積む仕様、忘れることはないだろう