殺意の階層 ソフトハウス連続殺人事件

殺意の階層 ソフトハウス連続殺人事件

殺意の階層 ソフトハウス連続殺人事件

発売日:1988/01/07|価格:5900円|メーカー:HAL研究所|ジャンル:アドベンチャー

NAO: 推理より時間との戦い!誰得ミステリー爆誕
NATSU: ゲームの都合で殺される、プレイヤー被害者感

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エピソード

  • トリビア

    ファミコンで推理物を遊ぶつもりだったのに、いきなり感じるのは推理の楽しさより息苦しさだと思う。発売日は1988年1月7日で、メーカーはHAL研究所、価格は5900円、ジャンルはアドベンチャー。舞台はゲームソフト会社パワーソフトで、若き探偵の樫畠明人が友人の死の違和感から事件に踏み込んでいく。ところが手掛かり探しの基本はコマンド選択式なのに、安心して総当たりできない。聞き込みも調べ物も、どれを選んでも時間が削られていくから、推理の前に自分の行動そのものが裁かれている感じがする。しっかり読んだつもりでも、次の瞬間に誰かが倒れて状況が変わり、失敗の理由が自分の勘違いなのか、単に間に合わなかったのかが曖昧に残る。この迷子感が、本作の入口でいちばん強い壁になる。

    この作品の核心は、時間制限が演出ではなく仕組みとして動くところにある。コマンドを1つ実行するたびに3分が経過し、1日の捜査は18時で終了する。初日は12時開始で、2日目からは10時開始という具合に、生活の区切りまで指定される。さらに社長から与えられる調査期間は基本3日で、そこを越えるとゲームオーバーになる。しかも同じ行動で既読の情報を確認するだけでも3分が消えるから、手帳を開く感覚で戻ったつもりが、その瞬間に寿命を削る行為になってしまう。推理物でよくやる確認作業を封じてくるので、遊び方そのものを矯正される。反射で正解を引く修行というより、選択を間違えない修行で、時間との戦いが推理を飲み込む。だからこそ、正しく動けた時の手触りは独特で、事件の筋がつながったというより、街と会社の空気が整理されていく感覚に近い。

    裏側情報として確かに言えるのは、開発体制と作品の意図が最初から緊張感へ振り切っていることだ。クレジットには開発としてハル研究所に加えてハイパーウェアとMGPが並び、プロデューサーには後に任天堂社長となる岩田聡の名もある。タイトル画面にはパワーソフト連続殺人事件と表示される箇所があり、作品名の表記揺れがそのまま残っているのも印象的だ。さらに1990年代に続編が発表されたものの、最終的に発売中止になったとされ、物語を広げる可能性は途中で閉じられた。だから現存するこの1本は、未完の大作の序章ではなく、当時の推理アドベンチャーの流行の中で、時間というルールを前面に押し出して完結させた挑戦作として立っている。泣きたくなる理不尽さは確かにあるのに、遊び終えた後に残るのは、間に合わなかった悔しさと同じくらい、あの時代のソフト会社という舞台設定の生々しさだと思う。

  • NAO総評

    推理より時間との戦い、という言葉がここまで正確に刺さる作品も珍しい。コマンド選択式なのに総当たりを許さず、確認すら消耗になる設計がプレイヤーの癖を暴いてくる。面白いのは物語そのものより、焦りが判断を歪める過程の観察だ。誰得と笑いたくなる硬派さが、1988年の空気を逆に濃くする。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    ゲームの都合で人が倒れていく感じがして、助けたいのに間に合わないのがつらい。話を聞き直したいだけなのに時間が減って、気づけば自分の手で失敗を確定させてしまう。それでも少しだけ筋が見えた瞬間に、探偵になれた気がしてうれしい。被害者感が強いのに、忘れにくい体験になる。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(殺意の階層 ソフトハウス連続殺人事件 [HAL-PB])

説明書:Internet Archive 所蔵版(殺意の階層 ソフトハウス連続殺人事件 [HAL-PB])
※Satsui no Kaisou - Soft House Renzoku Satsujin Jiken [HAL-PB](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照。権利は各社に帰属します。

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