ワイワイワールドシリーズ
エピソード
トリビア
1988年1月14日にコナミから発売されたコナミワイワイワールドは、ジャンルは見た目こそ横スクロールのアクションらしいのに、触った瞬間の感触がどこか寄せ集めの遊園地で、しかも遊ばせ方は容赦ない、というズレが最初のつまずきになる。いま振り返ると、その迷子感こそが狙いだったのだと思えてくる。主人公はコナミマンと、シナモン博士が作ったアンドロイドのコナミレディで始まり、さらわれた六人のコナミヒーローを助けて大魔王ワルダーを倒すのが目的だが、一本道の冒険ではなく、研究所を起点に各ステージへ飛び、鍵で仲間を救出して遊びの手札を増やしていく構造になっている。しかも二人同時プレイが可能で、当時の空気としては珍しくないにせよ、88年の家庭用で会社の看板キャラを並べて協力プレイまで押し出すのは、だいぶ攻めた企画だった。
遊びの中心は横スクロールのアクション面で、階段の上り下りや画面の設計が悪魔城ドラキュラに近いタイプだと説明されている。手触りが硬いのはここで、敵配置も罠も、初見の気分を優先してくれない。けれど救いも同時に用意されていて、ゲーム中にいつでもキャラクターを切り替えられる仕組みがある。仲間を救出すればそのキャラも使えるようになり、例えばゴエモンは宝箱を開けられる、シモンはムチとクロスで遠距離が得意、月風魔は剣や手裏剣で特定のブロックを壊せる、という具合に、進め方そのものが変わっていく。二人同時プレイのときは同じキャラを同時に使えない制約があり、強い組み合わせを探すより、役割分担で事故を減らす感覚に寄っていくのも面白い。進行状況はカタカナ十四文字のパスワードで記録でき、スコアやゲームオーバーの概念がない代わりに、全キャラが死ぬと弾丸が半分になって研究所へ戻されるなど、当時のアクションの常識と別の方向に舵を切っている。
ここからが裏側の答え合わせで、このゲームは単にオールスターを並べたのではなく、コナミ社内の資産を一本に束ねる設計思想が透けて見える。音楽はキャラクターごとに変わる作りで、テーマ曲のように扱われ、さらに終盤には縦スクロールのシューティング面が用意されている。前半はツインビー風の地上、後半はグラディウスや沙羅曼蛇を思わせる宇宙や火山の雰囲気へ移り、最後にワルダーを倒すと、そのまま体内の内臓ステージへ突入する。内臓ステージは魂斗羅の最終面風で、最深部の心臓を倒すとカウントダウンが始まり、時間内に入口まで脱出して戦闘機に乗らなければならない。アクションとシューティングと脱出劇を一続きにしてしまう強引さは、豪華さの裏でプレイヤーに優しくない部分でもあるが、同時に、当時のコナミの看板群をつなぐおもちゃ箱としては、あまりに分かりやすい締め方でもある。研究所ではツインビーのシナモン博士が案内役になり、英語版の記事では弟のサイモンが弾丸を代価にキャラを復活させる役割として説明されていて、迷子になったプレイヤーを研究所へ呼び戻し、立て直させる装置として機能している。
もう一つの裏側は権利の現実で、2006年以降の携帯アプリ版では、ライセンスの都合でマイキーやコングが別キャラに置き換えられたことが明記されている。つまりこの作品のクロスオーバーは、社内キャラだけで完結しているようでいて、当時の外部権利も混ざっていた。その混在が、後年の移植で形を変えた事実は、ゲームが時代を背負っていた証拠にもなる。さらに2014年には一作目と二作目のサウンドをまとめた音源が発売され、携帯版の曲まで収録されたと案内されている。派手な転校生に殴り込むどころか、全盛の空気の中で二人同時アクションを掲げ、社内外の顔ぶれを一つの迷宮に閉じ込めた結果が、この不親切さと中毒性の同居なのだと思う。攻略本がなくても遊べるやさしさより、分からなさを抱えたまま一歩ずつ理解していく快感が主役で、だからこそ大人になってからも、あの迷子感が記憶の奥でやけに鮮やかに残る。
NAO総評
RPG全盛の時代に二人同時アクションで殴り込んだ英断は、今なら企画会議の空気まで想像できる。だが遊びは全然やさしくない。キャラと曲の豪華さで笑わせつつ、道中は真顔で転ばせる。あの本気っぷりは、サービスではなく自信の裏返しだったのだろう。
出典:NAONATSU総評
オールスターなら安心して遊ばせてくれると思うのに、ここは普通に痛い。だからこそ友だちと二人で、役割を決めて少しずつ前へ進めた夜が残る。難しくて笑って、ミスして凹んで、また研究所に帰ってやり直す。その繰り返しが、いつの間にか一番の思い出になってる。
出典:NATSU
📘 説明書資料(コナミワイワイワールド [RC825])
説明書:Internet Archive 所蔵版(コナミワイワイワールド [RC825])
※Konami Wai Wai World [RC825](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照。権利は各社に帰属します。














発売日:1988/01/14|価格:5500円|メーカー:コナミ|ジャンル:アクション
NAO: RPG全盛に2人同時アクションで殴り込んだコナミの英断作
NATSU: オールスターなのにガチで遊ばせにくる本気っぷり