裏技
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空中浮遊
①ムービングブロックの下にくっつき、ブロック進行方向の逆方向へ十字ボタンを押す。①ムービングブロックの下にくっつき、ブロック進行方向の逆方向へ十字ボタンを押す。 ②落ちる瞬間に上を押すと、押している間は空中浮遊する。
②落ちる瞬間に上を押すと、押している間は空中浮遊する。
エピソード
トリビア
1985年5月24日、タイトーからファミコン向けに発売。定価は4,500円。オリジナルはタイトーのアーケード版(1984年)で、モンスターに奪われたハートを救い出して脱出する——という骨格をそのまま家庭用に落とし込んだ一本です。ファミコン版の開発はTOSEとされ、当時の市販カートリッジ容量や表示制約のなかで、原作の“天井に張り付く/左右にボムを投げ分ける”という独特の手触りを丁寧に再現しています。操作は、左右移動・ジャンプ、そして「左ボム/右ボム」。一定時間後に“もくもく”と爆ぜる煙で敵(もんすた)を倒し、オリを壊して解放したハートは自動で出口へ向かいます。出口前にある仕切りブロックはハートが壊してくれるので、最後はちゃっくん自身が出口へ滑り込めばステージクリア、という分かりやすい流れです。
遊びの勘所は“置きボム”の段取り。左右に1個ずつしか投げられない制約があるため、孵化前の「もんすたエッグ」を見て発生タイミングを読み、煙の判定が出るタイミングにあわせて同時ヒットを狙うのが上達の近道。画面の天井や“ムービングブロック”に近いときだけ天井張り付きが可能で、張り付いた状態での降下や、張り付いたままボムを置いて誘導する——といった“上下の往復”まで含めると、見た目以上にパズル的な思考が効いてきます。敵「まいた」に出口をふさがれると時間切れでミス、ムービングブロックに挟まれてもミス、煙に巻き込まれてもアウト。ルール自体はシンプルですが、爆発のタイミングや敵の射線の重なりをほどく小さな判断が連続するつくりです。
ファミコン版はアーケードの全14面から構成を絞り、9面でひと巡り→10面で1面相当へ戻る周回型になっています。エンディングの代わりにループで難度が高まる設計で、2人交互プレイにも対応。もともと本作は『バブルボブル』の前身格とされ、もんすた/まいたの顔ぶれや“単画面で段取りを組む”遊びの芯は、その後のタイトー流アクションへつながっていきます。開発史的には、大学のマイコン同好会発の原型がタイトーに拾い上げられ、アーケード化の過程で今の“ちゃっくん像”が整えられていったというエピソードも語られています。家庭用の本作は、演出カットや面数整理でテンポを優先しつつ、「爆風の置き方」と「天井を使う回避」というコア手触りを残した、いかにも80年代半ばの移植らしい“切り詰めの妙”が味わえる作りです。
スコア周りの小ネタも見逃せません。まず、全エッグを孵化させたうえで敵を一掃してクリアすると5,000点ボーナス。逆に誰も倒さずにオリだけ壊して脱出すると、20,000点+1UPの“ノーキル・ボーナス”。倍率ではなく明確な条件ボーナスなので、面構成と敵の出方を覚えたあとに狙いどころが生まれます。さらに20,000点でエクステンド(残り数+1)、以降は100,000点ごとに+1の伸びもあり、稼ぎとサバイバルが素直に噛み合う設計。敵をまとめて煙で消すとフルーツが出現して加点できるなど、スコアアタック視点でも“段取りの説得力”がちゃんと返ってきます。NAOの「ハートを追うだけじゃ、ちゃっくんの魂は救えない」はまさに核心で、見た目の可愛さに反して、一歩先を読んで置く・上下を使って逃げ道を作る——この“用意周到さ”が勝敗を分ける一本です。
最後に移植の文脈をひとさじ。ファミコン市場が拡大し、他社も続々と参入していた1985年春。タイトーは『スペースインベーダー』に続く早い時期の参入で、固定画面アクションの地ならしを家庭に持ち込んでいきます。本作はキャラクター演出の一部が簡素化されているぶん、操作と段取りの気持ちよさで押し切るタイプ。NATSUの「キャラの良さがわからなかった」という感想も、当時の容量事情と表現の優先順位を思えば“なるほど”で、むしろゲーム的なコアが今でもはっきり味わえる——そんな一作だと思います。
NAO:総評
ハートを拾うだけのように見えて、実は“置きボムの段取り”を積み上げるゲームなんだよな。エッグの孵化タイミングに煙を合わせ、出口をふさぐ「まいた」をどう外すかを考えると、画面の見え方が一変する。天井に張り付いて一呼吸置き、降り際にボムを仕掛ける……その小さな工夫が決まった瞬間の満足感は大きい。誰も倒さずゴールして2万点+1UPを狙うか、全員孵化から一掃で5,000点を拾うか、稼ぎ方の選択肢も遊びを深める。見た目は可愛いが、実際はかなりストイック。ハートを追うだけじゃ物足りない——短評の通り、ちゃっくんの魂は“段取り”で救われる一本だぜ。
出典:NAONATSU:総評
当時は正直“キャラの良さ”がわかりにくかったけれど、今触ると天井に張り付き、左右にボムを投げ分ける操作がやけにクセになる。演出は控えめでも、ノーキルで2万点+1UPや全滅5,000点といった明快なご褒美があって、狙いを変えて何度も挑戦したくなる。9面でひと巡りするループ形式も短いサイクルで上達を感じやすく、“あと一回”と繰り返す気分にさせる。キャラクターの可愛さよりも段取りの気持ちよさが前に出る、80年代半ばらしい移植。最初は戸惑っても、慣れるほどに手触りが魅力へ変わっていく。ちゃっくんは不思議と記憶に残る存在。
出典:NATSU📘 説明書資料(ちゃっくんぽっぷ [TF-4500 02])
説明書:Internet Archive(ちゃっくんぽっぷ [TF-4500 02])
※Chack'n Pop [TF-4500 02](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction_Booklet出典:※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 / 権利は各社に帰属します

















































発売日:1985年5月24日|価格:4500円|メーカー:タイトー
NAO: ハートを追うだけじゃ、ちゃっくんの魂は救えない。
NATSU: 正直、キャラの良さがわからなかった……。