ダイナマイトボウル

ダイナマイトボウル

ダイナマイトボウル

発売日:1987/05/24|価格:4900円|メーカー:東芝EMI|ジャンル:スポーツ

NAO: 効果音と演出が惜しいボウリングゲーム作品
NATSU: リアルで投げたほうが気持ちいいと思います

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エピソード

  • トリビア

    1987年5月24日に東芝EMIからファミコンへ投入されたダイナマイトボウルは、価格4900円のスポーツシミュレーションとして、ボウリングという実在競技を物語抜きで遊ばせようとした一本だ。説明書では三十のレーンが用意され、それぞれに少しずつ違う特性があるとされる。家のテレビにボウリング場の空気を持ち込み、同じ場所で投げ続けるよりも自分に合うレーンを探すところから競技を始めさせる発想が、いきなり渋い。プレイヤーは五人の個性を持つキャラクターから一人を選び、七ポンドから十五ポンドまで五種類のボールを選んで開始する。さらに一度に最大五人まで遊べるので、順番待ちと歓声が似合う競技をそのまま家庭の遊びへ落とし込む狙いが見えてくる。

    投球の操作は、力任せのタイミング勝負にしないための工夫が詰まっている。まずアドレス位置を十字キー左右で決め、ボールの投げ出し角度を十字キー上下で決める。次に自動で動くコントロールのインジケーターを止めることでフック、ストレート、スライスの球種が決まり、最後にパワーのインジケーターを止めた位置でボールのスピードが決まる。どこで止めたかという一点が、そのままピン配置の結果へ返ってくるので、上達とは派手な技ではなく選択の精度を上げることだと教えてくる。遊び方はGAME AとGAME Bに割れていて、GAME Aは十フレーム制の通常ボウリングを扱い、スペアなら次の一投、ストライクなら次の二投の得点が加算される基本も説明書に明記されている。もう一つのGAME Bはダーツモードと呼ばれ、倒したピンの番号を得点として加算し、五百点ちょうどを目指す変則ルールだ。ただし加算はストライクを取った時点から始まり、五百点を超えた場合は次のターンで減算へ回り、再び五百点以下に戻れば加算へ戻る。うまい一投で終わらず、得点の揺り戻しを読み切るのが勝負になるところが、競技物の中にゲームらしい意地悪さを混ぜている。

    開発はSoftvisionが担当し、タイトル画面には東芝EMIとSoftvisionの著作表示が並ぶ。英語版Wikipediaでは、MSXやNECのPC 8801にも展開されたとされ、PC 8801版は1987年10月に発売とされている。家庭用と国産パソコンの両方にまたがって同じ競技を遊ばせるのは、当時の市場の読み方としても面白い。説明書のワンポイントでは、ストライクを取れるポイントや投げ出し角度や球種を探せと書かれ、三十レーンの中にはすごいレーン特性があるとも言い切る。競技の読み合いを数字に圧縮しつつ、当たりレーン探しという寄り道まで込みで遊ばせる設計は、攻略よりも記憶に残る体験を優先したように見える。さらに二百点以上でゴリラが祝福する演出、三百点のパーフェクトで幻のレーンが登場するご褒美まで用意されていて、静かな競技に笑いどころを混ぜる感覚がやけにファミコンらしい。高得点になると名前と血液型を登録できる仕掛けもあるが、電源を切ると記録が消えると明記される。バックアップが当たり前ではない時代の潔さが、記録というロマンと一緒に残っている。

    派手な演出や効果音で気分を持ち上げるタイプではなく、淡々とした一投の連続で集中を引き出すタイプのゲームだ。そのぶん、友だちと交代しながら投げると場が持つし、ひとりで投げると妙に真面目になってしまう。レーン特性に合わせて角度や球種を調整し、GAME Bの五百点ぴったりを狙って減算と加算の波を渡り切れたときだけ、テレビの前なのに小さくガッツポーズが出る。ボウリング場の床のきしみやピンの重い音までは届かなくても、投げる前に少しだけ肩が固くなる感覚だけは、確かに呼び起こされる。

  • NAO総評

    効果音と演出が惜しいという印象は最後まで変わらない。操作はアドレスと角度と球種と速度を順に決める理詰めで、競技の読み合いを家庭用へ落とす設計は筋が良いのに、ピンが倒れる快感の押し出しが控えめで、ストライクの達成感が淡く終わる。三十レーンやダーツモードという変化球、血液型まで登録させる時代の遊び心、バックアップ無しの潔さも含めて味はあるが、東芝EMIが競技物で勝負した挑戦を決定打に変える一撃が足りない。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    リアルで投げたほうが気持ちいいと思いながらも、テレビの前で順番を回していると不思議とボウリング場の記憶がよみがえる。静かな画面だからこそ一投が重く、角度と球種と速度がかみ合ったときだけ結果が素直に返るのがうれしい。五百点ちょうどを狙うモードは勝つより当てる楽しさがあって、二百点で祝われたり三百点で幻のレーンが出たり、地味さの先に小さな笑いが待っている。トップ5に名前を入れて喜んでも電源を切れば消える、その儚さまで懐かしいの。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(ダイナマイトボウル [TFS-DL])

説明書:Internet Archive 所蔵版(ダイナマイトボウル [TFS-DL])
※Dynamite Bowl [TFS-DL](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction_Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 / 権利は各社に帰属します

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