ミラクルロピット 2100年の大冒険

ミラクルロピット 2100年の大冒険

ミラクルロピット 2100年の大冒険

発売日:1987/08/07|価格:4900円|メーカー:キングレコード|ジャンル:アクション

NAO: 年号に見合わぬ微妙な近未来感がウリ
NATSU: スーツ脱げる=やられ演出がわかりやすい

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エピソード

  • トリビア

    1987年8月7日、キングレコードから価格4900円で発売されたミラクルロピット 2100年の大冒険は、近未来を名乗りながら画面の手触りはどこか素朴で、そのギャップが最初の迷子感を生むアクションだ。西暦2100年、UFO襲来に巻き込まれた幼い兄妹が異次元へ飛ばされ、妹がロボットとテレパシーで通じ合いながら基地を目指すという筋立ては派手なのに、目の前で起きるのは足場と罠と射撃の積み重ねで、物語が豪快なほど自分だけ置いていかれた気分になりやすい。しかも国内専売なのにゲーム内テキストは英語で進み、理解できる人ほど逆に淡白さが際立つ。タイトルに年号が入ると勝手に未来を想像してしまうのに、実際は小さなドットの世界が淡々と進み、そこに取り残される感じがこの作品の第一印象になる。
    ところが遊び方を一度飲み込むと、迷子感の正体はロボットの体と少女の体を切り替える仕組みにあると分かってくる。ロピットが敵や罠に触れて倒れると中から女の子が出てきて、女の子のままでは敵を撃てず、三十秒以内に特定のパワーを取って戻らないとそのまま失う。やられ演出が分かりやすいのは救いで、スーツが脱げた瞬間に自分の焦りが目に見える形になるからだ。ステージはただ右へ進むだけでなく、ワールドによって上下にもスクロールし、全体は十三のワールドで組まれている。十二ワールドの基地で兄を救い、十三ワールドで帰還用の衛星へ乗れれば地球へ戻れるという目的は分かりやすいのに、セーブがなく、途中で息切れすると最初の迷子感へ引き戻される。
    進行の難しさは、反射神経だけでなく、作者の癖を読み取る作業が混じる点にある。進行のために目印のない地点を何度も撃ったり跳ねたりして反応を探す場面があり、パワーや隠れキャラクターを拾う楽しさと、見落とすと先へ進めない緊張が同居する。ここでリズムがわずかに噛み合わないと、ドットのテンポが惜しいという感想が、そのまま理不尽さに化けてしまう。だが反応点を覚え、少女の三十秒を逆算して動けるようになると、近未来の薄味さが逆に強みへ変わり、仕掛けの手作り感が気持ちよく立ち上がる。真のエンディングを見るには全体を二周する必要があり、同じ景色を繰り返すこと自体が、学習して抜け方を身につけるゲーム性と噛み合っている。
    裏側の話も、この不思議な質感を説明してくれる。販売元はキングレコードで、パッケージ面にはアニメーション20の著作表示があり、開発元としてマイクロニクスが挙げられている。スタッフ面では、演出とシナリオに田中康穂、音楽に藤澤道雄と塩生康範らの名がクレジットされる。さらに発売から間もない1987年8月21日には、ゲーム音楽のアレンジ盤がスターチャイルド名義で商業リリースされ、作曲者として藤澤と塩生、編曲者として藤澤が明記されている。音楽会社が出すゲームらしく、画面の小ささに対して耳の情報が前へ出る瞬間があり、そこがテンポの惜しさを少しだけ救ってくれる。関連作としてゲームボーイのスターセイバーの冒険、別名ラブルセイバーが準続編として挙げられており、ミラクルロピットの届かなさが次の舞台へ引き継がれていく。2100年を舞台にしても、結局は足元の罠と三十秒の焦りに向き合うしかない。だからこそ、スーツが壊れて少女が放り出されるたびに、未来よりも今の手の動きが問われる感覚が残り、最後にはその不器用さまで含めて記憶に引っかかる。

  • NAO総評

    年号に見合わぬ微妙な近未来感がウリ、と言い切れるのがこの作品の皮肉だ。派手な筋立てのわりに画面は素朴で、未来は演出ではなく手触りとして遠い。扉や反応点の無言さは不親切だが、理解した瞬間だけ世界が急に整うのが厄介で楽しい。スーツが壊れたら三十秒で取り返せという焦りは、当時のゲームが客に求めた根性の縮図にも見える。二周して初めて答え合わせを出す態度も潔く、アレンジ盤まで出した熱量が時代の景気を思い出させる。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    スーツ脱げる=やられ演出がわかりやすい、だからこそ次の一手を考える余裕が少しだけ残るのよね。女の子になった瞬間の音楽と三十秒の焦りが、画面より心臓に来る。セーブがないから失敗の重さもあるけれど、兄を助けて帰るという目的はまっすぐで、十三のワールドを少しずつ覚えていくうちに迷子感が薄れていく。反応点を探す場面は悔しいけど、分かった途端に足取りが軽くなる。二周して帰ってくる頃には、素朴な未来がちゃんと自分の思い出になる。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(ミラクルロピット - 2100年の大冒険 [KIN-GM])

説明書:Internet Archive 所蔵版(ミラクルロピット - 2100年の大冒険 [KIN-GM])
※Miracle Ropit's - 2100 Nen no Daibouken [KIN-GM](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照。権利は各社に帰属します。

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