エピソード
トリビア
1988年1月22日に東映動画から発売されたスケバン刑事IIIは、テレビドラマ版の三作目、少女忍法帖伝奇を下敷きにしたファミコン用のアクションだ。価格は5300円、当時の売り場で目を引いたのは、ドラマの顔である風間三姉妹をそのまま操作できるという分かりやすさなのに、いざ始めると最初に来るのは爽快感より迷子感だった。画面のルールが一気に分かる作りではなく、敵の当たりや地形の癖も強いから、ドラマの洒落感やアイドルの華やかさを期待しているほど、入口でつまずきやすい。しかも本作は三姉妹を状況に応じて切り替える前提で進むので、いまの自分に必要なのが腕前なのか、キャラ選択なのか、情報収集なのかが曖昧なまま走らされる感じが残る。
救いは、つまずきの理由を知るほど面白さが見えてくるところだ。武器はドラマと同じく、唯はヨーヨー、結花は折鶴、由真はリリアン棒で、単なる見た目だけでなく役割分担として効いている。さらに敵を倒して経験値を得てレベルが上がる成長要素があり、体力の底上げだけでなく忍法の習得にもつながるため、腕だけで突破するというより、成長と準備で道を開く設計になっている。ステージ構成も一種類ではなく、見下ろし型と横視点の場面が混ざるので、同じ操作感で押し切れないのが難しさの正体でもある。ゲーム内の情報収集も特徴で、説明書には電話ボックスなどを使ったやり取りが書かれていて、雰囲気としてはドラマの指令や連絡をゲームの遊びに落とし込もうとしている。ここまで分かると、理不尽に感じた部分が、実は作品世界を保つための不親切さとして成立しているのが見えてくる。
裏側の話も、この作品の空気を決めている。ドラマ側の項目には、ファミコン版のテレビCMが十五秒のアニメーションで作られ、キャラクターデザインや原画の担当者まで記されていて、販促の一点にも東映動画らしい作りの手間が入っていたことが分かる。ゲームの内容自体も、ドラマ第三作の物語と人物関係を強く意識しており、三姉妹と敵勢力の構図がそのまま軸になる。こういう真面目さがある一方で、プレイヤーには容赦がなく、負けた時に待っているのが再挑戦ではなく、異様に長いパスワードと向き合う時間だったりする。今の感覚だと笑ってしまうが、昭和末期のメディアミックスは、熱量と不親切さが同居していて、そこに時代の手触りが残る。難しすぎて何も盗めずに帰った記憶が、なぜか残り続けるのは、そのねじれが体験として強いからだ。
NAO総評
南野陽子の二代目路線を期待すると刺さらないのに、東映動画は十五秒アニメCMとアニメ絵パッケージまで整え、作品愛だけは妙に本気だ。三姉妹の武器と忍法で成長する仕組みは面白いのに、説明不足のまま即死と迷子を量産し、長すぎるパスワードまで修行の一部にする、熱意が空回る昭和末期のメディアミックス教材になる。銀幕とテレビの勢いがそのまま売り場へ流れ込んだ、あの雑な豪快さも含めて忘れがたいし、皮肉にも味が出る。
出典:NAONATSU総評
浅香唯が寝る間を惜しんでゲームをしていたと語られていると知ると、この作品がファミコン化された時に胸がざわついた理由も分かる。三姉妹を切り替え、ドラマの小道具そのままのヨーヨーや折鶴やリリアン棒で進むのに、画面が切り替わるたびに即死が待っていて、負けたら長いパスワードを写す作業に戻る。翔の呪いを解くという目標が見えていても道のりが遠く、難しすぎて何も盗めず帰った記憶さえ、今は笑える冬の思い出だよね。
出典:NATSU
📘 説明書資料(スケバン刑事III [TDF-KJ])
説明書:レトロゲームの説明書保管庫(スケバン刑事III [TDF-KJ])
※Sukeban-deka-3 [TDF-KJ](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction_Booklet
※レトロゲームの説明書保管庫様による保存資料です。 / 権利は各社に帰属します。












発売日:1988/01/22|価格:5300円|メーカー:東映動画|ジャンル:アクション
NAO: 南野派には刺さらぬ三代目ゲー、熱意が空回る
NATSU: 浅香唯がゲーム好きって話しか印象に残ってない