リップルアイランド

リップルアイランド

リップルアイランド

発売日:1988/01/23|価格:5900円|メーカー:サンソフト|ジャンル:アドベンチャー

NAO: 絵本風の裏に光る、油断できない選択肢地獄
NATSU: コミカライズとセットで語れる珍しい作品

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エピソード

  • トリビア

    絵本みたいに柔らかい絵と音で始まるのに、いざ動き出すと妙に気が抜けない。リップルアイランドは、サンソフトが1988年1月23日にファミコンへ出したアドベンチャーで、見た目ののんびり感に反して、選択肢の一手がそのまま詰みになり得る怖さを隠し持っている。島を治めるドテーラ王の娘ナサレル王女が、皇帝ゲロゲールを名乗る魔物にさらわれた。王は討伐と救出に褒美と結婚を約束し、島外れの少年カイルは一獲千金の匂いに背中を押されて旅に出る。出だしは王道なのに、途中で出会う動物たちや村の人たちがくれる言葉が短く、しかも素直に受け取ると迷子になる。この最初の迷子感こそ、この作品の入口の味だ。

    ゲームはコマンドを選んで対象に働きかける形式で、画面の何に触れるかを探りながら物語を進める。問題は、優しそうな顔をして戻れないことがある点だ。物語は複数のエリアに区切られて進行し、条件を満たすと次へ進むが、進んだ後に前へ戻れない場面がある。しかも行動次第では自動的に次の区画へ進んでしまうこともある。だから、探索がまだ甘いのに景色だけ変わってしまい、何を取り逃したのかも分からないまま不安だけが残る。こういう瞬間に、プレイヤーは選択肢を押した自分を疑い始めるのに、同時にもう一回だけ試したくもなる。難しいのに手を止めにくいのは、世界が穏やかで、失敗が残酷すぎない顔をしているからだ。

    裏側の話を知ると、この噛み合わせの悪さが少し腑に落ちる。英語版の情報では、本作は元々ディスクシステム向けに皇帝の闇という題で企画され、さらに開発名義に東海エンジニアリングというダミー会社が関わっていたとされる。ファミコン当時の発売本数制限をくぐるための手段だったという証言も引用されている。つまり見た目の牧歌的な空気の裏で、当時の商流と制約の中をすり抜けて世に出た作品でもある。発売後はプレイステーションでメモリアル系の復刻に収録され、2012年にはプロジェクトEGGでも配信された。さらに2024年には現行機向けの復刻パッケージに入り、セーブや巻き戻し、資料を見られる機能まで付いて帰ってきた。迷子になりやすい作品が、やり直しやすさを持って復活したのは、時代が答え合わせをしてくれたみたいで少し面白い。

    小ネタとして強いのは、終わり方が一つではないことだ。英語版の情報ではエンディングが複数あり、条件次第では最後の敵を倒す前に見られる結末もあるという。そして真の結末に到達した時だけスタッフロールが流れる。絵本風の表紙で始まり、気付けば周回して結末の条件を探している。この反転が、リップルアイランドの芯のトリビアだ。しかもこの作品はゲームの外側でも物語が伸びていて、キャラクターデザイナーの一人とされるモリケンによる漫画版が、わんぱくコミックスで連載された。連載は途中までで終わったが、単行本では加筆が行われ、ゲームの真の結末に触れる形になったと説明されている。近年は同じ世界の新作として、カイルとキャルのレストランという作品まで発表され、タイトルそのものが再び動き出した。絵本の裏にあった棘は消えないけれど、その棘ごと大事にされている感じが、今の復刻の空気に一番似合っている。

  • NAO総評

    絵本みたいな顔で近寄ってきて、選択肢を一回間違えるだけで平気で迷子にするあたり、優しさの皮をかぶった意地悪が上手すぎる。穏やかな島の景色があるぶん理不尽の痛みが鈍くて、だからこそ周回して答え合わせをしたくなる構造が巧妙だ。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    可愛い絵と雰囲気に安心して触ったのに、すぐに取り返しのつかない分岐で転ばされて、何が悪かったのか分からないままやり直す夜が続いた。迷子の記憶が濃いのに、島の空気が好きで離れられなくて、気付けば結末を見届けたい気持ちが残っている。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(リップルアイランド [TEC-RI])

説明書:任天堂公式(リップルアイランド [TEC-RI])
※Ripple-island [TEC-RI](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※任天堂公式によるウェブページです。権利は各社に帰属します。

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