ボンバーキング

ボンバーキング

ボンバーキング

発売日:1987/08/07|価格:5500円|メーカー:ハドソン|ジャンル:アクション

NAO: 爆弾置いたら即ダッシュ、それが基本
NATSU: キングって言うならマンより強いのか

🗨      思い出をコメントに残してみませんか?

ボンバーマンシリーズ

エピソード

  • トリビア

    1987年8月7日、ハドソンから5500円で出たボンバーキングは、見た目だけならボンバーマンの親戚に見えるのに、触った瞬間に手触りが別物だと突きつけてくるアクションだ。画面は右へ進む横の流れを持ちながら、操作は斜めにも動ける見下ろし型で、ブロックだらけの地形を爆弾でこじ開けていく。ところが爆弾は置いたら終わりではなく、爆発までが極端に短く、しかも置いた直後に主人公が勝手に後退する。いつもの感覚で歩きながら置くと、一度下がってから自分で爆弾へ突っ込む形になり、ほぼ確実に自滅する。この理不尽さに見える癖が、実は作品の芯で、何を壊すかより先に、何を拾ってどう生き残るかが問われる。キングと名乗っているのに、最初は小さな失敗で簡単に削られ、タイトルの強さを信じるほど迷子になる。

    目的は単純で、敵を倒し、ブロックを破壊しつつ右端の出口へ抜けることだ。ただし出口はカギを取らないと開かず、さらにライフ制で時間経過でもじわじわ減っていく。残機の余裕で押し切る遊び方は許されず、息を整えるほど不利になる感覚がある。爆弾の爆風は上下左右だけでなく斜めにも一マス広がり、隣接は全壊、斜めは半壊という癖があり、同じ角度からもう一度浴びせると完全に崩れる。置ける爆弾は連続で二つまでだが、同じ場所に重ねて置けたり、自分がすり抜けられたりと、ルールが独特で、だからこそ置く場所の読みが生きる。爆弾は無限ではないがザコを倒すと一つ落ち、飛行タイプを落として補充し続ける感覚が、ダッシュ前提のテンポを作る。ビームも撃てるので、爆弾は道を作るための道具でもあり、危険な近道でもある。

    救いは、拾い物が豊富で、しかもストックの発想がある点だ。セレクト式のアイテムを抱え、必要な瞬間に呼び出せるので、回復や補給だけでなく、局面を立て直す切り札が手元に残る。ただし持てる枠は限られ、拾えば拾うほど整理が必要になるから、プレイの焦点が自然に何を拾うかへ寄っていく。さらに進行を輪にして同じ区画へ戻してくる仕掛けもあり、それを断ち切るための聖杯パネルが用意されている。うっかり取らずに進むと、前へ進んだつもりで同じ景色に戻され、タイトルの強さより自分の無力さが先に積み上がる。隠し部屋として井戸や偶像の部屋のような空間があることも語られていて、苦しい流れの中に一瞬だけ空気が変わる場所が挟まるのが、この作品の優しさでもある。八つの世界を進み、最後はボスの待つ区画を抜ける構成なので、一本の冒険としての長さもちゃんとある。

    裏側も面白い。企画段階では別題で進んでいたものが引き継がれ、初期版の不具合を作り直して立て直したという経緯が残っている。シリーズ名としてはボンバーマンの系譜に置かれつつ、海外ではロボウォリアーの別名でジャレコが展開し、同じ骨格でも受け取られ方が変わる立場になった。しかもこの作品は、主題歌をゲーム内に持ち込み、条件を満たすとメニューに曲の項目が現れ、歌詞を表示しながら歌える作りまで用意した。歌を歌う玩具的な遊びと、爆弾即死の硬派さが同居するのがいかにも当時で、映像投稿のコンテストまで行われたというのだから、ゲームが家庭の娯楽の中心へ押し上がっていた熱が透けて見える。裏技も同様に、発見そのものをイベント化して雑誌で募集し、手順をわざと完全には明かさないという意地悪さが残る。パスワードがなく、やられたら持ち物が減り、点数が消え、前の区画へ戻される仕切り直しも含めて、この作品は甘やかさない。だからこそ、背中を向けて爆弾を置き、即座に距離を取り、拾う優先順位まで自分で決められるようになった瞬間に、やっと世界がほどける。キングがマンより強いかどうかは、腕前よりも、逃げ足と持ち物のセンスで決まる。

  • NAO総評

    爆弾を置いたら即座に距離を取る、それを体に入れた瞬間からこのゲームは化ける。置いた直後に後退する癖や、時間で減るライフが、ただの続編期待を容赦なく潰してくるのに、拾い物の整理と使いどころで逆転できる設計がある。強さを与えられるのではなく、拾って選んで作れと言うのが皮肉でいい。パスワードなしの突き放しまで含め、1987年の熱と不親切さが同じ画面で笑っている。主題歌や雑誌の企画にまで伸びる商売気も、むしろ時代批評として美味しい。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    最初はキングどころか紙みたいに弱くて、マンより強いのかと突っ込みたくなる。でも道具を拾い、焦って置いた爆弾からちゃんと逃げられるようになると、画面の怖さが少しずつ味方に変わる。戻される区画や減る持ち物にもめげず、次は何を拾うかを考え始めたとき、迷子だった気持ちに道筋ができる。やっと出口へ抜けた瞬間、あの肩書きが自分の中で本物になって、子どもの頃の悔しさまでほどけていく。主題歌を口ずさめる余裕が出たら、もう負けていない。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(ボンバーキング [HFC-BX])

説明書:Internet Archive 所蔵版(ボンバーキング [HFC-BX])
※Bomber King [HFC-BX](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照。権利は各社に帰属します。

データベース一覧 ♪

-