キョンシーズ2

キョンシーズ2

キョンシーズ2

発売日:1987/09/25|価格:5500円|メーカー:タイトー|ジャンル:アクション

NAO: どこ行けばいいかわかんなくて、電源切った
NATSU: 雰囲気は満点、優しさはゼロ点

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エピソード

  • トリビア

    迷子になるゲームは数あれど、キョンシーズ2ほど最初の数分で心が折れやすい一本は珍しい。1987年9月25日、タイトーがファミコンに出したアクションアドベンチャーで、価格は5500円。キョンシー映画の熱が子ども部屋に届いていた時代に、題材だけ見れば派手な版権物を想像するのに、実際の手触りは街を歩いて聞き込みし、買い物し、必要な物を揃えてから危険地帯へ向かう、静かな探索型だ。しかもゲーム内で前置きの説明がほとんどなく、何をしたらいいかを自分でつかまないといけない。だから、どこへ行けばいいか分からなくて電源を切る、という体験が起きやすい。けれど、つまずいた理由を言葉にできた瞬間から、このゲームは少しだけ面白くなる。何切るかではなく、何を拾うか、誰の話を聞き逃さないか、そういう方向の注意力を試されるからだ。

    遊びの骨格は、見下ろしの街パートと、要所で挟まる横スクロールの戦闘パートの往復だ。最初に孤児の少年四人、デッパ、トラ、チビクロ、スイカから一人を選び、街では東西南北に歩いて施設を探し、建物に入ると話すや見るのようなコマンドで手がかりを集める。昼は基本的に安全でも、夜になると街にキョンシーが現れ、歩くだけで戦いへ引きずり込まれる。寺は拠点になり、寺ではテンテンや祖父に会えるが、戦って助けてくれるわけではなく、札を持って倒したキョンシーを連れて行って換金するなど、こちらが動いて仕組みを使う形になる。銀行も相性が良いと融資を受けられる代わりに、運の値を消費する。道場では修行で能力や必殺技を覚えられるが、必殺技は入力が難しく頼りにしづらいとされる。店も相性が悪いと追い出されることすらある。雰囲気は満点なのに、優しさはゼロ点、と言いたくなるのはこのあたりだ。海外のガイドでも、探索して戦い、捕まえて寺へ戻す流れとして紹介されている。

    この作品が嫌われやすい理由と、妙に記憶に残る理由は、同じ場所にある。下水道や洞窟のような迷宮を抜け、やがて霊界や大霊界へ踏み込むが、そこでは敵を倒し切らないと通路が現れず先へ進めない仕掛けがある。さらに霊界へ入るには、火土水風の護符を集めて門を開き、特別な霊の服を装備する必要がある。塔が入り口になったり、夜の街が危険地帯になったり、やること自体は筋が通っているのに、それを教える声が小さい。だから初見は苦行になりやすいし、攻略本があると別物になると言われる。けれど、手順が頭に入ると、短い日課のように必要な札を整え、目的の護符へ向かう計画が立ち、急に冒険の輪郭が出る。
    裏側の話を知ると、タイトルの数字がさらにややこしい。本作は台湾映画幽幻道士の流れを受けた位置付けとされる一方で、ゲームとしてのキョンシーズ1は存在しないと説明されている。つまり二作目という名前は、ゲームの続編番号ではなく、映像作品の熱に乗った看板だ。開発はシンキングラビットが担い、当時としてはセーブを前提にした長い探索や、昼夜の概念、クリアデータ認識のような先鋭的な仕掛けを入れているのに、遊びやすさへ落とし込むところで荒さが残った。キョンシーという題材自体も、中国の殭屍伝承が香港映画の流行で定番の姿を得たものだ。文化の波が大衆向けに変換され、そのままファミコンの迷宮へ移植された結果が、この一本だと思う。分からないまま投げた記憶さえ、怖さと可笑しさが同居した時代の空気として残ってしまう。遊ぶ側の根気まで含めて、時代の産物だ。

  • NAO総評

    最初の街で目的が見えず、どこ行けばいいかわかんなくて電源切った、という感想はこの作品の本質に近い。昼夜や相性や護符の段取りは意外と理屈が通っているのに、導線が薄く、試行錯誤が学習ではなく迷子に化けやすい。タイトルが2で一が無い看板も混乱を助長する。荒いのに先鋭的で、だから忘れにくい。攻略本前提の時代設計が見える一本だ。版権熱の追い風の中で、セーブや昼夜の発想だけは妙に未来を見ているのが皮肉で面白い。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    雰囲気は満点、優しさはゼロ点、とこぼしながら夜の街を歩いた記憶がある。突然の遭遇戦、相性で追い出される店、集めた札を握りしめて寺へ戻る往復、その全部が不親切なのに世界観だけはちゃんと好きになってしまう。手順が分かった瞬間だけテンポが戻って、ドットの空気が少し優しく見える。その一瞬の救いが今でも残ってる。デッパやトラやチビクロやスイカの誰を選んでも、少し慣れると相性や得意が顔を出して、あの頃の友だちの性格みたいに見えてくる。苦いのに懐かしい、そんな一本。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(キョンシーズ2 [TFC-KR5500])

説明書:Internet Archive 所蔵版(キョンシーズ2 [TFC-KR5500])
※Kyonshiizu 2 [TFC-KR5500](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照。権利は各社に帰属します。

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