パチコン

パチコン

パチコン

発売日:1985/11/21|価格:4900円|メーカー:東芝EMI|ジャンル:シミュレーション

NAO: 画面の中でまでパチンコ。現実が見えないという現実。
NATSU: 玉の動きが生々しい。やめとけ、ハマるぞ。

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東芝EMI
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エピソード

  • トリビア

    1985年11月21日、東芝EMIから発売された『パチコン』は、家庭用ゲーム機で初めてパチンコを題材にした作品の一つとして知られる。グラフィックや演出はシンプルだが、玉の挙動や当たり判定が意外にリアルで、当時の子どもたちにとっては「テレビの中でパチンコができる」こと自体が新鮮な体験だった。
    一方で、発売元が東芝EMIという音楽系企業だったこともあり、当時のゲーム誌では「なぜEMIがパチンコを?」といった疑問の声も多かった。
    遊技機メーカーとの協業ではなく、あくまで自社企画の一環として作られた点も珍しい。

    ゲーム内容は、仮想のパチンコ台を模したシンプルな画面で、発射角を調整し玉を打ち出すだけというもの。リーチ演出やフィーバーのような派手な演出は存在しないが、確率計算が意外に精密で、同じ打ち出し角でも微妙なタイミングで結果が変化する。操作は単調ながら、実機に近い反応性を追求していたことがわかる。
    ただしこの“リアルさ”が裏目に出た面もあり、当たりが出ない、演出が地味すぎるなどの不満も聞かれた。レビュー誌では「暇つぶしには悪くないが、熱中する要素は少ない」と評されるなど、決して高評価とはいえなかった。

    しかし、後年のROM解析によってこの作品が再び注目を浴びることとなる。
    解析結果によれば、ROMデータ全体のうちおよそ5%にあたる領域が、ゲーム中では一切アクセスされない“隠しメッセージ”として埋め込まれていたのだ。
    その内容はすべてローマ字で記されており、開発スタッフによる長文の愚痴、皮肉、個人名、そして会社への不満までもが綴られていた。
    たとえば「JPM no Mr.GOUHARA wa nan nimo shinai kuseni iro iro iiyagatte...(ゴウハラ氏は何もしてないくせに口だけ出す)」といった直接的な表現まで確認されている。
    さらに「この開発体制ではよいゲームは作れない」「バグ修正の時間が与えられない」といった悲痛な叫びも混ざり、スタッフの疲弊がにじみ出ていた。
    他にも電話番号のような数列、サウンドテスト用らしきコード、そしてファイル構造のメモまでも含まれており、ROM全体の5%を占めるその情報量は、当時のファミコンソフトとしては異例中の異例であった。

    この“隠しメッセージ”は、通常プレイでは一切表示されず、ROMをバイナリエディタで直接閲覧することで初めて判明した。
    つまり、開発者たちはプレイヤーではなく「後世の解析者」に向けて、密かな手紙を残していたとも言える。
    近年ではThe Cutting Room Floor(TCRF)やAtWikiの解析報告により、メッセージ全体の翻訳やローマ字原文が公開され、改めてファミコン黎明期の“人間味ある開発現場”として注目を集めている。
    これは単なる裏話やバグではなく、制作の裏側をそのままROMに封じ込めた、極めて珍しい事例である。

    一方、ゲームそのものの評価は現在でも賛否が分かれる。
    ファミコンの黎明期に登場した“生活系シミュレーション”として、確率処理や玉の挙動をここまで再現した意欲は高く評価できるが、遊技としての快感が薄く、子どもたちにはやや地味に映った。
    それでも当時の日本社会において、パチンコが「大人の遊び」の象徴であった時代、子どもたちが家庭で体験できる唯一の“擬似大人遊戯”として、ある種のリアリティを持って受け入れられたのも事実だ。
    現代的に見れば未完成な作品だが、そこに込められた開発者の葛藤や皮肉が、奇しくも“パチコン”というタイトルの多義性――「パチンコ」と「パチもん(偽物)」の狭間に漂う曖昧さ――を象徴しているようにも思える。

  • NAO:総評

    仮想の盤面を打ちながら、現実の人間がどれだけ現実から逃げたいかを見せつけられる。確率を計算し、玉の動きをプログラムで操っても、そこにあるのは結局「運」の再現だ。笑えるのは、そんな偶然を再現するために開発者が必死に理屈を積み上げていたことだな。ROMの片隅に愚痴を書き残すあたり、もう立派な依存症だ。遊びを作るはずの人間が、遊びそのものに取り込まれてる。まるで笑えないジョークだぜ。

    出典:NAO
  • NATSU:総評

    玉の転がる音がやけに静かに響いてた。派手な演出もないのに、じっと見つめてると不思議と心がざわめく。あと一回、もう一回って思うたびに、ボタンを押す手が止まらない。きっと当たる瞬間よりも外れたあとの余韻が好きだったんだと思う。単純なのに妙に現実的で、どこか人間くさい。あの頃のファミコンには、そんな小さな魔法が宿ってた。まるで夢と現実のあいだで遊んでたみたいにね。

    出典:NATSU
  • 📘 説明書資料(パチコン [TFS-PC])

    説明書:Internet Archive 所蔵版(パチコン [TFS-PC])
    ※Pachicom [TFS-PC](Famicom)(JP)
    区分:説明書/Manual/Instruction Booklet

    出典:※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 / 権利は各社に帰属します

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