ロックマンシリーズ
スピンオフ
エピソード
トリビア
ロックマンは1987年12月17日にカプコンから発売されたファミコン用アクションで、価格は5300円だ。青いロボットの見た目は明るく、選べるボスもアニメのように分かりやすいのに、遊び始めるとすぐ迷子になる。敵の弾は小さく速く、足場は細く、落ちたら戻される場所も多い。かわいい顔をしているのに敵配置の殺意が隠れていない。初見は特に、どのステージから行けばいいのか、どの武器が何に効くのかが手探りで、正解を知らないほど痛い目に遭う。だからこそ最初の数十分は、アクションの上手さよりも、心を折られない強さが試される。やられた理由が自分の油断として残り、次の一回でほんの少しだけ前へ行ける。その積み重ねが気持ちよくて、やめどきが見つからない。
仕組みは明快で、六体のロボットマスターのステージから好きに選び、倒すと特殊武器が手に入り、その武器で別のステージが楽になる。いわゆる弱点探しの設計が、迷子の時間そのものを遊びに変えている。相手を倒すだけでなく、どの順番で倒すかも攻略の一部になり、同じ面でも選ぶ武器で難しさが変わる。弾数制の武器が多いので、撃ちすぎれば肝心な場面で息切れする。反対に温存しすぎると、武器を持っているのに苦しい戦いを続けることになる。ここで大事なのは、上手い操作だけでは勝てないという感覚だ。敵の配置を覚え、足場の癖を理解し、危ない場所では欲張らずに引く。その判断ができるようになると、さっきまで理不尽に見えた面が急に静かになる。難しいのに納得できるという感触が、ロックマンの芯だと思う。
裏側の話を入れるなら、これはシリーズの第一作であり、北米ではタイトルがメガマンになって発売された。日本版のパッケージイラストは稲船敬二が手がけ、海外版の印象的な別絵とも対照的に語られがちだ。制作は小さなチームで進められ、元々は八体のロボットマスターを想定していたが、スケジュールの都合で六体に絞られたとされる。音楽は松前真奈美が担当し、短いフレーズでも耳に残る旋律が多い。こうした制作事情が、遊びの密度の高さと、容赦のなさにそのまま現れている。後年にはプレイステーション向けのアレンジ版や、携帯機向けのリメイク、そして複数の移植や復刻が重ねられた。遊び手の世代が変わっても繰り返し呼び戻されるのは、武器の奪い合いという気持ちよさが、古くなりにくい構造だからだ。
印象的要素として外せないのが、ワイリーステージで待つイエローデビルだ。あれは強いというより、見切りの壁として立っている。形を変えながら攻撃してくる相手に対して、反射で避けるだけでは間に合わず、出る順番と安全な場所を身体に刻む必要がある。テレビの前で崩れ落ちた回数が、そのまま記憶の濃さになるタイプのボスだと思う。ロックマンの面白さは、勝った瞬間の派手さより、勝つまでに自分が変わっていく感覚にある。子ども向けに見える顔と、遊び手を甘やかさない設計が同居し、その落差が80年代の家庭用らしい熱を残す。最後に残るのは、青い主人公の格好良さだけでなく、あの時代のゲームが平然とこちらを鍛えてきたという事実だ。
NAO総評
子ども向けの顔で近づいてくるのに、敵配置は最初から殺意全開。そこがロックマンの正直さだと思う。特殊武器の弱点探しは親切に見えて、実際は試行錯誤を前提にした知性勝負で、油断した瞬間に落とされる。制作上の制約で六体に絞られた話まで含めて、密度で押し切る設計になっている。かわいい色味と容赦のなさが同じ画面に並ぶから、達成感が妙に冷たくて美しい。
出典:NAONATSU総評
イエローデビルで何度テレビの前で崩れ落ちたか、という短評がそのまま思い出の中心にある。上手くなった気分より、少しだけ前へ進めた嬉しさが積み上がっていくゲームで、負けた夜の方が記憶に残るのに、嫌いになれない。武器を手に入れて世界が少し優しくなる瞬間があって、その一息が救いになる。厳しいのに温かいという変な感情が残るのが、初代の特別さだと思う。
出典:NATSU
📘 説明書資料(ロックマン [CAP-RX])
説明書:レトロゲームの説明書保管庫(ロックマン [CAP-RX])
※Rockman [CAP-RX](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction_Booklet
※レトロゲームの説明書保管庫様による保存資料です。 / 権利は各社に帰属します。



















発売日:1987/12/17|価格:5300円|メーカー:カプコン|ジャンル:アクション
NAO: 子ども向けの顔して敵配置が殺意全開のゲーム
NATSU: イエローデビルで何度テレビの前で崩れ落ちたか