聖飢魔Ⅱ 悪魔の逆襲

聖飢魔Ⅱ 悪魔の逆襲

聖飢魔Ⅱ 悪魔の逆襲

発売日:1986/12/25|価格:4900円|メーカー:CBSソニー|ジャンル:アクション

NAO: メイクは派手でもジャンプが地味。悪魔らしからぬ操作感。
NATSU: 逆襲ってほどでもない。ちょっとした悪戯レベル。

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裏技

  • コンティニュー

    ゲームオーバー後、タイトル画面で2コンのAとBを押しながらスタート
  • ステージセレクト

    タイトル画面で2コンで入力
    B A A B A A B A A B A B

     

エピソード

  • トリビア

    1986年12月25日、CBSソニーからファミリーコンピュータ向けに発売された『聖飢魔II 悪魔の逆襲』は、定価4900円、当時絶大な人気を誇ったヘヴィメタルバンド「聖飢魔II」を主役に据えたアクションゲームである。プレイヤーは構成員であるデーモン小暮(現:デーモン閣下)を操作し、神ゼウスに捕らえられた四人の仲間を救出し、奪われた悪魔教典を奪還、最終地「悪魔寺」での大黒ミサ開催を目指す。本作は、実在のロックバンドをキャラクター化した世界初の事例として歴史に名を刻んでおり、八十年代中盤の加熱するタイアップ文化の象徴的な一作である。

    悪魔に死なし:LIFE制と資源管理の過酷さ
    本作のゲームデザインは、その華やかな題材とは裏腹に、極めてストイックかつ硬派なアクションを要求する。画面に表示される「LIFE」は実質的な制限時間として機能し、静止している間も刻一刻と減り続ける。敵との接触は即死を意味しないが、一度に十数から二十数ポイントのLIFEを奪い去る。この「減点で耐える」設計は、説明書における「悪魔に死はない」という設定を忠実に反映したものであるが、実態はプレイヤーの焦りを誘発する冷徹なシステムである。

    全五ステージの構成は、最終エリアで門番を倒して鍵を奪い、囚われの仲間を救出することで完結する。跳ぶ、避ける、拾うというアクションの基本動作に終始するが、デーモン小暮の操作性には独特の慣性と癖があり、精密な着地や回避が困難な場面も多い。この「動かしにくさ」こそが、本作の難易度を支える実質的な壁となっている。

    楽器の呪縛:買い物と「真の結末」への渇望
    本作の攻略において最も重要な戦略要素は、道中で回収するドル袋を元手とした「買い物」にある。商店ではLIFEの回復や武器の強化が行えるが、真にプレイヤーを縛り付けるのは「楽器」の存在である。各ステージで指定された楽器を買い揃えなければ、最終ステージをクリアしても「大黒ミサ」は成立せず、物語は不完全なまま幕を閉じる。武器を石からコウモリへと段階的に強化し、進行を有利に導く誘惑に抗いながら、高価なフライングVやドラムセットへの投資を優先せねばならない。

    さらに、この楽器システムを「悪魔的」なものにしているのが、隠しコマンドによるコンティニューの代償である。ミスを取り戻すためにコンティニューを実行すれば、それまでに苦労して買い揃えた楽器はすべて消滅する。つまり、救済措置に頼るほど「真のエンディング」は遠のくという、皮肉な構造が取られている。攻略情報の乏しかった発売当時、多くの信者(ファン)はこの落とし穴に嵌り、ゼウスを倒しながらも締まらない結末に唇を噛むこととなった。

    MSX2版の再構築とデッドストックの悲哀
    開発を担当したイスコは、翌1987年にMSX2向けとして『聖飢魔II スペシャル』を発売している。これは単なる移植ではなく、グラフィックの強化に加え、BGMに「蝋人形の館」や「EL・DO・RA・DO」といった実際の楽曲を採用した「音楽重視」の構成であった。ファミコンで幅広い層に認知を広げ、音楽性を求める層をMSX2へと誘導するメディアミックスの算段が透けて見える。

    しかし、この戦略はハードウェアの普及台数の壁に阻まれた。MSX2版は期待されたほどの売れ行きを見せず、大量のデッドストックが発生。後年には投げ売りされたカートリッジが「基板取り」や電子工作の部品取りとして扱われるという、技術史の徒花のようなエピソードを残した。聖飢魔IIの熱狂的なファン層と、当時のマイコン(PC)ユーザー層が必ずしも合致していなかったことが、現存数の少なさと中古市場での希少価値を皮肉にも高める結果となった。

    評価と余韻:みうらじゅんが「許せなかった」理由
    当時の『ファミ通』クロスレビューでは21点と、平凡な評価に留まっている。内容が既存の別アクションゲームのキャラクターを差し替えただけのように見えるという批判や、イラストレーターのみうらじゅんが「(タイアップのあり方として)許せない」と激怒したという逸話は、本作の持つ「商品としての強引さ」を物語っている。

    しかし、その不条理な難易度や、楽器という名のノルマに追われる焦燥感、そして苦労の末に辿り着く大黒ミサの達成感は、紛れもなく1986年の冬にしか存在し得なかった熱狂の産物である。厳しい敵の配置や跳びにくい足場に文句を言いながらも、我々は悪魔の逆襲という名の無理難題に挑み続けた。本作は、八十年代のタイアップ文化が到達した一つの極北であり、その苦味も含めて、世紀末の記憶を呼び覚ます欠かせないピースとなっている。

  • NAO総評

    メイクは派手でも、動かしている手触りは妙に地味で、跳ぶだけで神経を削られるのがこの作品の本質だ。タイアップ物の顔で売りつつ、楽器を買い揃えないと最後の黒ミサに辿り着けない仕掛けが、ファン心と攻略心を同時に試してくる。隠しコンティニューが救済に見えて、実行した瞬間に楽器が消えて結末が閉じるのは、救済の皮を被った嫌がらせに近い。だが、制限時間が減り続ける設計と買い物が噛み合うと、焦りの中で最適解を探す冷たい面白さが浮き彫りになる。悪魔の看板は伊達ではなく、プレイヤーに安息を与えない硬派な一本だと言い切れる。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    「逆襲」と聞いて熱い展開を想像したのに、実際は小さな悪戯みたいな罠が積み重なっていて、笑うより先に肩がこる作品だったわね。時間が勝手に減っていく中で、店で回復か、武器か、それとも楽器かを選ぶから、焦るほど判断を間違えてしまう。救出した仲間のために楽器を揃えないと終盤が締まらないのも、ファンなら嬉しい反面、うっかりを許してくれない厳しさがあった。跳びにくい癖を必死に覚えて一面を抜けた時の安堵だけは、今でも昨日のことのように思い出せるわ。厳しくて不条理だけど、あの頃の冬の匂いがする一本よ。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(聖飢魔Ⅱ 悪魔の逆襲[CBS-SA])

説明書:Internet Archive 所蔵版(聖飢魔Ⅱ 悪魔の逆襲[CBS-SA])
※Seikima II - Akuma no Gyakushuu! [CBS-SA](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 権利は各社に帰属します

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