裏技
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コンテニュー
ゲームオーバー後、タイトル画面で ↑ を押しながら スタート。ゲームオーバー後、タイトル画面で ↑ を押しながら スタート。
エピソード
トリビア
1986年12月24日、カプコンからファミリーコンピュータ向けに発売された『闘いの挽歌』は、定価5500円、世紀末の荒野を剣と盾で切り拓く硬派なアクションゲームである。主人公リュウは、恐怖で世界を統べる剣王アキレスを討つべく、敵軍団へと単身乗り込む。本作の本質は派手な仕掛けやパズル要素ではなく、画面左右から容赦なく押し寄せる敵との、一対一の殺法にも似た「読み合い」にある。
盾による防禦:格闘アクションの原風景
本作の操作体系において最も独創的なのは、攻撃ボタンと同じ重みで「盾」による防禦が置かれている点である。八方向移動に加え、剣による攻撃と、盾による防禦という二つの役割が明確に分担されている。盾は上、右、左の三方向へ構えることが可能であり、飛来する刃物や敵の突進を、方向を正確に合わせて受け止めることが生存の絶対条件となる。敵の攻撃は一撃が極めて重く、防禦を誤れば即座に武器を弾き飛ばされ、素手での格闘(パンチ・キック)を強いられる。この武装解除というペナルティが、プレイヤーに絶え間ない緊張を強いる。慎重な防禦と、時間制限に追われる中での大胆な前進。この二律背反を第一ステージから要求する冷徹な設計こそが、本作を凡百のアクションから分かつ境界線となっている。
ファミコン版のトリビア:アーケードを越える拡張
家庭用移植に際し、カプコンはアーケード版の忠実な再現以上に、コンシューマーならではの「探索と報酬」を厚く盛り込んだ。その最たる例が、各所に配置されたマンホール下の「隠し地下室」である。 これらはアーケード版には存在しないファミコン独自の要素であり、剣を振って壁を叩くことで、回復アイテムやスーパージャンプ、移動速度上昇といった強化アイテムが姿を現す。しかし、地下室は必ずしも救済の場ではない。敵が待ち構える部屋も混在しており、強化を求める寄り道が、かえって致命的な消耗を招くリスクを孕んでいる。この「毒と薬」の混在こそが本作の醍醐味である。さらに、業務用には存在しなかった怪魚キラーフィッシュや、毒弾を吐くバーバリアンといった新敵の追加、さらには新ボス「キングスリーク」の投入により、全六ステージの密度はアーケードを凌駕する。宿敵アキレスの演出も変更され、マントを脱ぎ捨ててから長剣を構えるというプロセスを経て、物語の結末をよりドラマチックに演出している。
対戦モードと隠された再開機能
家庭用独自の付加価値として特筆すべきは、VSモード(対戦モード)の搭載である。プレイヤーはリュウ、あるいはボスキャラクターであるトロージャンを選択し、一対一の真剣勝負に挑む。本編で培った「盾で守り、隙を突いて斬る」という戦術がそのまま人間相手の心理戦へと転換されるこのモードは、後の対戦格闘ブームを予見したような先駆的な試みであった。また、コンティニュー機能についても、パスワードのような外部の記録に頼らず、タイトル画面で「上+スタート」を入力するという隠しコマンド形式を採用している。これは、再挑戦そのものを操作の一部、あるいは一種の「儀式」として体に覚えさせる、当時のカプコン流の設計思想が透けて見える。
制作の裏側と製品を巡る動乱
本作の制作陣には、アーケード版のゲームデザインを担当した西山隆志や、音楽の森安也子といった才人が名を連ねている。ファミコン版の音源化に際しては坂口由洋がプログラミングを担い、荒廃した世界観を象徴する、暗く、しかし力強い旋律を見事に移植した。 広報面でも、山田康雄氏のナレーションによるテレビCMが放映され、終盤の追加ボスの姿を印象付けるなど、カプコンの力の入れようは並々ならぬものであった。しかし、発売直後には「最初期型のファミコン本体では正常に起動しない」という技術的トラブルに見舞われ、メーカーによる回収案内が行われるという波乱もあった。こうした現実での「手強さ」もまた、本作が伝説として語り継がれる一助となっている。ファミ通のクロスレビューで28点という高評価を得た本作は、その湿り気を帯びた世紀末の空気と、一切の甘えを許さない難易度の中毒性によって、多くのプレイヤーの心に消えない傷跡と、それ以上の誇りを刻みつけた。
結論:鋼の音が響く冬の挽歌
『闘いの挽歌』は、不親切なほどに厳しい。しかし、その剣と盾の一歩一歩には、安易な救済ではない「自力で生き延びる」という確かな手触りが宿っている。1986年のクリスマスイブ、華やかな世相とは裏腹に、多くの子供たちはこの殺伐とした荒野で盾を構え、鋼の火花を散らしていた。後の復刻や配信を経てなお、本作が持つ「硬派な時代の結晶」としての輝きは、微塵も失われていない。NAO総評
盾で守るという当たり前を、ここまで痛い授業にしてくるのが『闘いの挽歌』だぜ。剣で押し込みたい本能を抑えて、飛来する刃物や矢に合わせて盾の向きを決めろと強要される。迷えば武器を飛ばされ、素手で泥臭く粘る羽目になる。だが、難しさの裏には移植ならではの地下室や隠し強化、追加ボスという、遊び手を飽きさせない「寄り道」の設計が詰まっている。単なる理不尽では終わらせない、カプコンの計算高い意地が透けて見えるな。発売当時に初期型ファミコンでの動作不良で回収騒動になったってのも、ゲームの難度と現実がリンクしたような逸話で最高に手強い。
出典:NAONATSU総評
荒野を歩き出した瞬間から、リュウに休みがないのがこの作品の厳しさであり、魅力よね。盾の向きを必死に合わせて守って、剣で押し返して……ほんの少しの油断で素手にされちゃう絶望感は、今でも昨日のことのように思い出せるわ。でも、マンホールの地下室に降りて回復やスーパージャンプを拾えた時は、暗い世界で小さな光を見つけたような安心感があった。追加の敵や対戦モードまで入っていて、家庭用に広げた遊び心もちゃんと伝わってくる。上を押しながらスタートで再挑戦するたび、指に攻略が染み込んでいく。あの冬、私たちは間違いなくあの荒野を生き抜いていたわ。
出典:NATSU
📘 説明書資料(闘いの挽歌[CAP-TA])
説明書:Internet Archive 所蔵版(闘いの挽歌[CAP-TA])
※Tatakai no Banka [CAP-TA](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 権利は各社に帰属します












発売日:1986/12/24|価格:5500円|メーカー:カプコン|ジャンル:アクション
NAO: 盾を持ったその瞬間、難易度が倍に跳ね上がる。
NATSU: 勇者の道は一歩目が難関。トロージャンの洗礼。