エピソード
うっでいぽこは、1987年6月20日にデービーソフトから発売されたアクションで、横スクロールの手触りを軸にしながら、道具と情報で突破口を作っていく冒険色の強い一本だ。主人公のぽこは木の人形で、かつて自分を人間にしてくれた妖精を探し、なぜ木の姿に戻ってしまったのかを確かめる旅へ出る。画面のかわいさに反して、最初に突きつけられるのは生活感で、時間の流れと季節があり、昼と夜で町の様子が変わる。夜になると店が閉まるため、買い物はいつでも出来るものではなく、次に必要になる物を先回りして考える癖がつく。さらに食べ物で空腹をしのぎ、体力の戻り方まで変わるため、ただ強い武器を取れば安心という作りではない。
遊びの核は、右手と左手の使い分けにある。右手は投げて使う武器になり、左手は灯りの道具のように補助として働く。装備というより、持ち歩く順番が謎解きに直結していて、しかも所持できる数は少ない。序盤は四つ程度しか持てず、かばんやリュックサックでようやく余裕が生まれるが、余裕が出た分だけ欲が出て、肝心の鍵になる物をうっかり投げて消費してしまう怖さが最後まで付いて回る。金も潤沢ではなく、スロットで増やす道もあれば、質屋で換金する道もある。極めつけは盗みで、店から物を盗める代わりに、盗みを働いた後は見た目まで泥棒らしく変わり、ホテルと質屋以外の店に入れなくなる。これを元に戻すには、ステージごとに用意された試練を盗んだ回数分だけ越える必要があり、ズルをしたつもりが別の負債として積み上がる。旅の進め方そのものが性格診断のようになっていて、何を持ち、何を捨て、どこで妥協するかが、そのまま難易度になる。
開発はデービーソフトで、もともとは1986年にパソコン向けに出た作品が移植され、同年に別機種へも広がり、翌1987年にファミコン版へ到達した。ファミコン版は原作の骨格を踏まえつつ、ステージ構成が組み直され、ぽこがジャンプできるなど、アクションとしての扱いやすさが変わった点が特徴になる。また女性のぽこで遊べる選択肢が追加され、村人から得られるヒントが増え、店の品が安くなるなど、難しさと向き合う入口を広げる工夫も入った。発売当時には、ゲームの最後に出る暗号をメーカーへ送ると景品がもらえるキャンペーンが行われたことが知られ、ソフト単体ではなく遊びの外側まで含めて作品世界を伸ばそうとしていた。ゲーム誌のクロスレビューでは評価も得ており、見た目のメルヘンさと手強さの同居が、当時の遊び手に強烈な印象を残した。タイトル表記がひらがなであることも含めて、かわいさに寄せた入口から、容赦ない冒険へ落とす。その落差こそが、この作品を謎めいた憧れとして長く残し続けた理由になっている。
NAO総評
ひらがな表記の罠がまず効いていて、うっでいの一文字だけで記憶が揺れるのがもうこのゲームらしい。中身も同じで、かわいい世界なのに持ち物の順番と金策が全部を支配し、気づくと自分の判断がボスになっている。盗みで姿が変わる仕掛けや、暗号応募の企画まで含めて、遊び手を翻弄する設計の時代性が濃い。ボス戦で会話が立つ場面もあって、意地悪と愛嬌が同じ顔をしている。
出典:NAONATSU総評
未プレイなのに気になるのは、木の人形が妖精を探すという入り口が、ちゃんと冒険ファンタジーの匂いをしているからだと思う。昼と夜や季節がある世界で、店が閉まったり空腹を気にしたり、生活の重さが物語に混ざるのが珍しい。しかも盗みで見た目が変わって行動まで縛られるのが、物語の罰みたいで印象に残る。かわいいのに手強い、その矛盾を抱えたまま進む一本だと感じる。
出典:NATSU
📘 説明書資料(うっでいぽこ [dBF-UP])
説明書:Internet Archive 所蔵版(うっでいぽこ [dBF-UP])
※Woody Poko [dBF-UP](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction_Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 / 権利は各社に帰属します











発売日:1987/06/20|価格:5500円|メーカー:デービーソフト|ジャンル:アクション
NAO: 「ぃ」じゃないことに発売後気づいた作品
NATSU: 憧れ続けて未プレイな謎の冒険ファンタジー