裏技
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ステージセレクト
タイトル画面で以下の手順を入力。タイトル画面で以下の手順を入力。
1. コントローラーⅠの十字キーで「上」+「B」+「A」を押しながらスタート。
2. ステージ番号を指定してゲーム開始できる。
1. コントローラーⅠの十字キーで「上」+「B」+「A」を押しながらスタート。
2. ステージ番号を指定してゲーム開始できる。
エピソード
トリビア
1985年6月18日に任天堂から定価5500円で発売されたファミリーコンピュータ用ソフト『レッキングクルー』は、壁や床を大きなハンマーで壊しながらステージを進んでいくという単純明快なルールを持ちながらも、壊す順序を誤ると進行不能になる緊張感や、仕掛けられたダイナマイトで一気にブロックを崩す爽快感を組み合わせたアクションパズルであり、100面という当時としては破格のステージ数を収録し、さらに自分でオリジナルのステージを設計できる「DESIGNモード」を搭載するという先進性を備えていたものの、ファミコンカセット版では作成データを保存する手段がなく、ファミリーベーシックやデータレコーダといった周辺機器が必要だったため、子供たちは苦労して作ったステージを記録できずに消えてしまう経験をしつつも、友人宅で即席に作成したステージを遊び合うこと自体を楽しみ、ゲームの枠を超えて交流の場を広げていった。
本作の原型はアーケード版『VS.レッキングクルー』(1984年)であり、そこでは二人同時プレイや対戦要素が重視されていたが、ファミコン版では一人プレイを主体とし、詰み要素を含むパズル性を強調する方向にシフトしていたため、プレイヤーは「どの壁から壊すか」「ドラム缶をどう避けるか」といった判断を迫られ、力任せに叩くだけではクリアできない緊張感を味わうことになり、ガシャンという破壊音や一斉に崩れるブロックの演出は、単なる作業を超えて“考えながら壊す遊び”として当時のファミコン少年たちの心に刻まれた。
また登場キャラクターも強い印象を残した。マリオとルイージが主人公として登場するが、ルイージの配色は現在の緑色とは異なり赤系統の色合いが採用され、雑誌記事では「兄弟がそっくりすぎる」と語られるほどであり、後に差別化が進む以前の試行段階が垣間見える仕様だった。そしてプレイヤーを悩ませた敵「ナスビ仮面」は、その正体が一切説明されず、どこか不気味で得体の知れない存在感を放っており、夜寝る前に「中に誰がいるのか」「人間なのか怪物なのか」と想像を巡らせて眠れなくなった子供も多かった。さらに海外版では敵キャラクター「ブラッキー」が「スパイク」と呼ばれるようになり、2023年には公式にも名称が整理されるなど、後年にまで影響を残すほどのキャラクター性を持っていたことがわかる。
当時のファミコン市場は、まだ『スーパーマリオブラザーズ』が発売される直前であり、アクションゲームの多くは単純な左右移動や得点稼ぎを目的とするものであったため、『レッキングクルー』のように「壊す爽快感」と「考える緊張感」を融合させた作品は異彩を放ち、雑誌や店頭の広告では「新しいマリオの挑戦」として注目を集め、実際に遊んだ子供たちは休み時間に「どのステージで詰まったか」「どうすれば進めるか」を友達と語り合い、時にはノートにステージ図を描いて共有するなど、ゲームそのものだけでなく“語る遊び”としても広がりを見せた。
そして「DESIGNモード」で作られた即興ステージは、攻略本や公式が用意したものではなく、子供たち自身が頭をひねって仕掛けを考え、友達に挑戦させることで競い合い笑い合う遊び場となり、保存ができないという制約すら逆に「一期一会の楽しみ」を生み出していたともいえる。アーケード発の移植作でありながら家庭用ならではの拡張を加え、なおかつ不思議なキャラクターと不自由さを共存させた『レッキングクルー』は、1985年というファミコン拡大期の空気感を象徴する一本であり、子供たちが「壊すこと」に夢中になりつつ「なぜこんな敵がいるのか」と想像を膨らませ、テレビの前でわいわい騒ぎながら過ごした光景は、今なお懐かしい思い出として記憶に刻まれている。
NAO:総評
ジャンプを封じ、壊すだけの行為にここまでの思考性を与えた発想は見事だった。建設現場という地味な舞台を、ひとつの知的な遊び場に変えた任天堂の設計哲学が光る。ナスビ仮面の正体もスパイクの存在も、曖昧さの中で想像を掻き立てた。保存できないDESIGNモードすら、一期一会の面白さを生んでいたのが象徴的だ。効率より“体験の余白”を大事にしていた時代の息づかいが感じられる一本だと思う。
出典:NAONATSU:総評
子どもの頃、友達の家で何度もDESIGNモードをいじっては、消える運命のステージを笑いながら遊んでいた。壊す音の爽快さと、順序を間違える怖さが同居していて、単なるアクション以上の緊張感があった。ナスビ仮面は怖いのに、どこか憎めない不思議な存在で、夜になっても思い出してしまった。制約が多いほど創意が生まれる――そんなファミコン時代の空気を感じさせてくれる作品だ。
出典:NATSU📘 説明書資料(レッキングクルー [HVC-WR])
説明書:Internet Archive(レッキングクルー [HVC-WR])
※Wrecking Crew [HVC-WR](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction_Booklet出典:※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 / 権利は各社に帰属します

















































発売日:1985年6月18日|価格:5500円|メーカー:任天堂
NAO: 謎のキャラに幼心がザワついた。
NATSU: ナスビ仮面の正体が気になって眠れなかった。