マイクタイソン・パンチアウト!!

マイクタイソン・パンチアウト!!

マイクタイソン・パンチアウト!!

発売日:1987/11/21|価格:5500円|メーカー:任天堂|ジャンル:スポーツ

NAO: パターン覚えて反射で叩く、まさに修行ゲーの極地
NATSU: タイソンの瞬殺パンチに毎晩泣かされてたなあ

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エピソード

  • トリビア

    1987/11/21に任天堂から5500円で出たマイクタイソン・パンチアウト!!は、スポーツと書かれているのに、最初に感じるのはボクシングらしさより迷子の感覚だ。見えているのは巨大な相手の上半身と、画面下でちょこまか動くリトルマックだけで、こちらの攻撃は左右のジャブとボディ、条件を満たした時だけ出せる強いアッパーに限られる。マックはブロンクス出身の17歳として設定され、体格でも技の種類でも相手に足りないことが最初から前提になっている。だから反射で殴ろうとすると簡単に弾かれて心が折れるし、パターンを覚えないと先へ進めない感触が残る。ここで切り替えると世界が変わって、勝ち筋は腕力ではなく観察だと気づく。相手の癖を見抜き、避けてから返すのか、出始めに合わせるのか、その選択を自分の体にしみ込ませるほど楽になる。

    システムも修行に寄せてある。ガードや回避を失敗したり空振りしたりするとハートが減り、0になると疲れて殴れない時間が来るから、焦って手数を増やすほど自分を削る。スターは相手の特定の動きにカウンターを合わせた時に得られ、最大3つまでためておけるが、1発もらうと落ちる。つまり強い攻撃ほど、危ない瞬間に踏み込んだご褒美として渡される。勝敗もKOやTKOだけでなく判定があり、タイトル戦に負けるとランキングが落ちてまた登り直しになるので、覚えたはずの手順を実戦で再現できるか試される。試合は3ラウンド制だが時間の進みが実時間より速く作られていて、息継ぎの間も短い。最後の夢の試合に辿り着くまでに3回目の敗北があると終わりという区切りも、修行の緊張を切らさない。リングではマリオがレフェリーとして顔を出し、硬派な勝負の皮をかぶった任天堂らしい遊び心も混ざる。

    裏側に目を向けると、この修行感には理由がある。開発は任天堂開発第3部で、アーケード版を手がけた竹田玄洋がファミコン版のディレクターも務めた。アーケードのように主人公をワイヤーフレームで透かして相手を見せる力が当時の家庭用にはなく、逆に主人公を小さくして視界を確保し、相手の行動をパターンとして読ませる設計に寄せたという。加えて、キャラクターのスプライトは一部を除いて使い回しながら色や頭部や技で別人に見せる工夫があり、メモリの制約を遊びへ変えている。さらに日本では市販版より先に、ゴルフUSコースを使った公式大会の賞品として金色カートリッジのパンチアウト!!が作られ、そこでは最終戦がスーパーマッチョマンだった。そこから最終戦をマイクタイソンにした市販版が出て、現実の強さをゲームの頂点に据えた。

    そしてこの作品は、権利の話まで含めてレトロゲームらしい。タイソンの肖像のライセンスが切れた後は、架空のミスタードリームに差し替えた版が再発売や配信の基準になり、同じ相手に見えても版でパスワードが一致しない場合がある。アーケードでウォッカドランケンスキーと呼ばれていたロシア人ボクサーが、家庭用ではソーダポピンスキーという名で登場するのも、版の違いがそのまま記憶に残るポイントだ。音楽も印象に残りやすく、Look Sharp Be Sharpの旋律を取り入れた曲が使われ、対戦相手の入場曲には国やイメージを連想させるクラシックや民謡が選ばれている。だからタイソンの瞬殺パンチに毎晩泣かされても、次の夜にまた起動してしまう。覚えたはずの動きを身体で再現できた瞬間だけ、1980年代後半の熱気と、自分が少し強くなった手応えが並んで残る。

  • NAO総評

    パターンを覚えて反射で叩く修行ゲーという感触は偶然じゃなく、ハートで焦りを削りスターで危ない踏み込みだけ褒める仕組みが、プレイヤーの癖まで矯正してくるからだと思う、しかも家庭用の制約から生まれた視点やスプライトの工夫がそのまま攻略の読み合いに繋がり、最後は実在王者の権利が切れて姿が替わっても厳しさだけ残るあたり、80年代の任天堂の現実感と皮肉が同居している、スポーツと名乗りつつ実態は反復学習の教材で、勝つほど自分の乱暴さが薄れていくのが怖いほどよくできている。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    タイソンの瞬殺パンチに毎晩泣かされたのに不思議と嫌いにならなくて、負けた直後ほど次は合図を見落とさないぞって気持ちが熱くなり、寝る前にもう1回だけと起動してハートを削られながらもスターが取れた瞬間に声が出たんだよね、覚えた動きを身体で再現できた夜は小さな自信が残って、翌日の学校や仕事より先にリングの音が頭の中で鳴り続けてた、それでも次の夜にまたコントローラを握ってしまうのが、悔しさより懐かしさを強くする魔法だったと思う。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(マイクタイソン・パンチアウト!![HVC-PT])

説明書:Internet Archive 所蔵版(マイクタイソン・パンチアウト!![HVC-PT])
※Mike Tyson's Punch-Out!! [HVC-PT](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照。権利は各社に帰属します。

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