囲碁 九路盤対局

囲碁 九路盤対局

囲碁 九路盤対局

発売日:1987/08/11|価格:5500円|メーカー:BPS|ジャンル:テーブル

NAO: ファミコンで囲碁?忍者?どっちつかず感がクセになる
NATSU: 箱開けて「囲碁か…」で放置。でも今思えば貴重だった

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エピソード

  • トリビア

    囲碁 九路盤対局は1987年8月11日にBPSから発売されたテーブル作品で、価格は5500円だ。タイトルどおり囲碁を題材にしながら、最初に触れた瞬間の印象は意外と軽い。箱を開けて囲碁かとつぶやき、そっと棚へ戻したくなる人はいるし、実際に画面へ入ると盤面の硬さより先に、忍者が石を運ぶような演出が目に入ってくる。ファミコンで囲碁なのか、忍者なのか、どっちつかずの気配があるのに、そこが逆に入口になる。囲碁を知らなくても始められる空気を作りつつ、知っている人には小さな盤で読み合いを凝縮して見せる。迷子になりそうで、だからこそ一手だけ試してみたくなる。その誘惑が、このソフトの第一印象を決めている。

    遊びの中心は、19路盤ではなく9路盤に絞った対局だ。盤が小さいぶん一局が早く終わり、勝ち負けの重さよりも、形の良し悪しが先に見えてくる。1人用はコンピュータと打つモードで、難易度は段階がつき、置き石の数などハンデの考え方で差をつける。2人用も同じ考え方でハンデを用意し、実力差があってもとにかく打ち始められるようにしている。ここで助けになるのが、ルールや打ち方を教えるレッスンだ。忍者が出てくるのは見た目の冗談だけではなく、教える空気を軽くするための装置にもなっている。さらに棋譜を残して再生する仕組みがあり、複数の対局を保存して、あとから同じ局面をたどれる。勝っても派手なご褒美があるわけではないが、負けた理由を見返せること自体がご褒美になる。石を置くたびに間が生まれるので、テンポが惜しいと感じる人もいる。けれどその間は、次の一手を考える余白でもある。うまくいかない理由が分からないままでも、短い局を何度も回せるから、放置していた一本がふと戻ってくる瞬間がある。

    裏側の話になると、この一本の立ち位置が急に重くなる。BPSの作品一覧に本作が残っていること自体が、後年のテトリス周辺史へつながる足場になっている。同じ1987年にはディスクシステム版が先に出ていた記録もあり、家庭用に囲碁を持ち込む試みが段階を踏んでいたことが見えてくる。任天堂社長だった山内溥が囲碁に高い段位を持ち、例外的に遊んだゲームとして本作が挙げられている点も、題材がただの思いつきではなかったことを裏から補強する。囲碁という題材を家庭用ゲーム機へ持ち込むには計算量の壁があり、その現実が9路盤という形で表に出る。そこへレッスンや棋譜再生を足し、学びとしても遊びとしても成立させようとした設計がある。日本棋院の推薦を受けたとされる点も含めて、ただの暇つぶしで終わらせない姿勢が読み取れる。印象的なのは、石そのものが攻撃や魔法ではなく、あくまで一手として静かに置かれるのに、忍者の小芝居が妙に記憶へ残るところだ。短いレッスンを眺めているうちに、気づけば最初の一局が始まっている。時代が下ると、このゲームはテトリスの歴史を扱う作品集にも収録され、BPSとロジャース周辺史の入口として再び光が当たった。結局のところ、この一本の価値は、囲碁を遊ぶ道具であることと、当時の家庭用ゲームが何でも飲み込もうとしていた勢いを封じ込めていることの両方にある。忍者の軽さに釣られて一手を置き、気づけば盤面の重さに引き戻される。その往復運動が、今の目で見たときにいちばん貴重に感じられる。

  • NAO総評

    ファミコンで囲碁と聞いて身構えたのに、忍者が石を投げる演出で肩の力が抜ける。真面目さと茶目っ気が同居し、どっちつかず感がそのまま癖になるのが妙に上手い。9路盤だから短期決戦と思いきや、置き石の差で読み合いは鋭くなる。気づけば勝ち負けより、手筋らしき一手を拾えたかどうかで強く記憶に残る。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    箱を開けて囲碁かとつぶやき、そのまま棚に戻したくなる気持ちは正直わかる。けれど今振り返ると、9路盤に絞って遊びやすさを作り、レッスンや棋譜の再生まで備えた作りは当時として貴重だった。小さな盤面だから一局が早く終わって、失敗してもすぐ打ち直せるのが救いになるし、忍者の演出が気恥ずかしさをほどいてくれる。ファミコンの音で石を置くたび、あの時代の部屋の空気がふっと戻ってくるし、誰かにコントローラを渡して二人で打てるのも嬉しい。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(囲碁 九路盤対局[BPS-IG])

説明書:Internet Archive 所蔵版(囲碁 九路盤対局[BPS-IG])
※Igo - Kyuu Roban Taikyoku [BPS-IG](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照。権利は各社に帰属します。

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