バーディ・ラッシュ ゴルフ倶楽部

バーディ・ラッシュ ゴルフ倶楽部

バーディ・ラッシュ ゴルフ倶楽部

発売日:1987/12/09|価格:5500円|メーカー:データイースト|ジャンル:スポーツ

NAO: 静かな優等生だったが派手な転校生に負けた感じ
NATSU: ゴルフ知らなくても打てばなんとかなる安心感

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エピソード

  • トリビア

    1987年12月9日にデータイーストから発売されたファミコン用のゴルフゲームが、バーディ・ラッシュ ゴルフ倶楽部だ。価格は5500円で、ジャンルはスポーツ。題名は勢いよくバーディを量産できそうなのに、最初に触るとむしろ落ち着いた手触りで、画面の静けさに少し拍子抜けする。しかも最初に見えるのはボールの周囲だけで、どこへ運べばいいのかが分からず、ゴルフ以前に地図が欲しくなる。ここでセレクトを押すと視点を自由に動かせて、フェアウェイやグリーンの位置関係を確かめられる。迷子の理由が自分の視野の狭さだと分かった瞬間に、ようやく一打目が気楽になる。ゴルフの知識がなくても、とりあえず打てば前に進む。その安心感があるから、遊び始めの敷居は意外と低い。

    操作は上下でクラブを選び、左右で狙いを決め、Aボタンでスイングの強さを止めて飛距離を作る。狙いは点線で示され、風の影響も考える必要があるので、ただ真っすぐ打つだけでは思った場所へ落ちない。だからこそ、弱めに刻むか、風に乗せて伸ばすかという判断が毎回生まれる。スタートでスコアカードを出して流れを確認できるのも、地味だが助かる作りだ。地面の違いもあって、ラフは距離と操作性を落とし、バンカーは寄せの難しさを上げる。ここで無理に万能を狙うと、池や深い芝に吸い込まれて一気に冷える。反対に、欲を抑えて安全な面を選ぶと、ちゃんと前へ進める。派手な演出でごまかさない代わりに、自分の判断を鏡にするタイプのゴルフになっている。

    内容は十八ホールを回る構成で、遊び方もはっきり三つに分かれている。ひとりでもふたりでも最少打数を競うストロークが基本で、ふたり専用の対戦ではホールごとに勝敗を付けて点を取り合う形式になる。長い一日を二人で付き合うより、勝った負けたを積み重ねるほうが盛り上がるという理解が見える。さらにトーナメントでは長い位置から打ち始める設定になり、同じコースでも距離感が一段ずれる。ふたりプレイは交代で打つ方式で、相手の一打を見る時間が長い。だからこそ、寄せたときの小さな拍手やため息がそのまま場の空気になる。急がせる要素が少ないのに題名がラッシュなのが、逆に面白い皮肉だ。急げないのではなく、急ぐほどスコアが壊れるから、自然に慎重になる。各ホールのあとに順位表が出て、自分の一打の軽さや重さが数字で突きつけられるのも、この作品らしい意地悪さだ。コースが一つしかないのに飽きにくいのは、ここでの距離の変化と、風と欲の揺れが同じ穴でも毎回違う顔を作るからだ。箱やカートリッジには識別用の型番も付いていて、DFCという文字を含む記号が記録されている。こういう事務的な匂いまで含めて、静かな優等生らしさが徹底している。

    裏側の話として面白いのは、この作品が当時の日本市場向けのファミコンタイトルとして記録されている点と、後年になってファンによる英語化が行われたと整理されている点だ。豪華な物語や有名選手の看板がなくても、淡々とした設計が海外の好事家に拾われたということでもある。データイースト自体もアーケードと家庭用の両方で多数の作品を手がけた会社で、スポーツを題材にしたゲームも早い時期から出している。そうした流れの中で作られた一本だから、どこか業務用のきっぱりした味が残っている。夜中に一本だけと始めたのに、次のホールでもう一回だけと続けてしまうのは、派手さではなく、失敗の理由が自分で分かるからだ。上手くなった気分より、少しだけ上達した実感が残る。ゴルフを知らなくても打てるのに、知れば知るほど自分の雑さが露呈する。その矛盾が、静かなまま中毒になる。

  • NAO総評

    静かな優等生だったが派手な転校生に負けた感じ、という印象はよく分かる。画面も演出も控えめで、当時のファミコンらしい派手な見せ場を期待すると肩透かしになる。けれど狙いと風と距離を読み、クラブを選び、スイングの止めどころを揃えるだけで結果が変わる。トーナメントでは長いティーから放り出され、順位表で小さな失敗が露骨に可視化される。派手さの時代に、地味な上達だけを信じる設計が逆に尖っている。ゆえに記憶も静かだ。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    ゴルフの知識がなくても、とりあえず打てばなんとかなる安心感があって、最初の一球だけは妙に気持ちいい。けれど少し欲が出ると、風に流されて池へ、距離を読み違えてバンカーへと転がって、急に心が冷える。それでもセレクトで景色を見回し、ここなら届くと決め直す時間があって、焦りが少し落ち着く。二人で回ると順番待ちの間に笑ってしまい、うまく寄った一打だけが翌日まで残る。静かな遊びなのに、思い出は案外あたたかい。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(バーディ・ラッシュ [DFC-GH])

説明書:Internet Archive 所蔵版(バーディ・ラッシュ [DFC-GH])
※Golf Club - Birdy Rush [DFC-GH](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照。権利は各社に帰属します。

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