ロマンシア

ロマンシア

ロマンシア

発売日:1987/10/30|価格:5300円|メーカー:東京書籍|ジャンル:アドベンチャー

NAO: 夢見たお姫様救出がここまで地獄とは知らなかった
NATSU: 攻略本なかったら2画面目で詰んでたと思う

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トンキンハウス(東京書籍)

ドラゴンスレイヤーシリーズ

エピソード

  • トリビア

    ロマンシアは1987年10月30日にファミコンへ来た。発売は東京書籍で、見た目は明るい色づかいの童話みたいなのに、始めた瞬間に手触りが違うと気づく。主人公は若い戦士で、城で王に会えば最低限の装備を渡され、王の命令で攫われた王女セリナを追い、ロマンシア王国から敵国アゾルバへ踏み込む。筋書きだけ聞けば一直線の救出劇なのに、実際はお姫様救出という甘い約束より先に、何をすればいいか分からない不安が押し寄せ、ちょっとした選択ミスがそのまま詰みに直結する。だから最初は迷子になるのが正しい遊び方で、攻略本がなかったら二画面目で止まるという感覚も、当時のまま素直に起きる。かわいい顔をした地獄という言い方が刺さるのは、ゲームが優しくないからだけではなく、優しくない理由をほとんど説明してくれないからだ。最初の一手から容赦がない。

    遊びは横から見た世界を行き来しながら、町で話を聞き、道具を集め、洞窟や城へ踏み込む形になる。剣やジャンプで敵を避けつつ進むが、強さよりも手順と条件が支配していて、正しい順番で正しい相手に正しい物を渡せた時だけ道がひらく。しかも敵に見える相手の中には呪われた住人が混ざっていて、倒すほど心の指標が減るという皮肉な仕掛けまである。善人の証として集める輪が多いと、逆に王から豚に変えられる呪いを受ける場面もあり、分かると笑えるのに、初見では理由が見えないまま罰だけ来る。原作のパソコン版では制限時間の存在まで背負わされるので、試すほどに焦りが増える構造だった。しかもセーブがなく、どこで間違えたかを教えてくれないままやり直しになるため、同じ景色を何度も踏み直して少しずつ正解を探すことになる。ファミコン版はコンパイルが手がけた移植で、家庭用らしく遊びやすさへの配慮が語られる一方、手探りで死んで覚える骨格そのものは残り、夢見た救出劇がいつの間にか自分の根気試験に変わっていく。

    裏側を知ると、この意地悪さがただの嫌がらせではなく、当時の国産パソコンゲームの文脈を背負っているのが見えてくる。開発は日本ファルコムで、ファミコン版はコンパイルが開発を担当したとされる。シナリオは後にソーサリアンにも関わる五十嵐哲也で、軽い見た目の裏で手順の詰め将棋を組み上げた。ロマンシアはドラゴンスレイヤーシリーズの三作目で、他の作品より明るく簡略化した作りだからこそ、ドラゴンスレイヤージュニアという別名まで付いた。音楽には阿部隆人と古代祐三が関わり、明るい旋律の下で不穏さがちらつく。発売元の東京書籍は教科書事業を中心とする出版社で、その名がテレビゲームの箱に載る違和感も、八〇年代の熱を象徴している。後年の評判でも、かわいさと難しさの落差、説明不足による試行錯誤、セーブできない不自由さが繰り返し語られ、当時の雑誌評でも高得点とは言えず、ファミ通では四人合計で十九点という数字が残っている。さらに後の時代には改良版がウィンドウズ向けに出て、パソコン版が配信サービスで再登場するなど、忘れられたままにはならなかったのも面白い。

    それでも記憶に残るのは、迷子のまま少しけ救いが見える瞬間があるからだ。行動の結果がやっと線でつながり、町の景色がただの背景から手掛かりへ変わる。攻略を覚えてしまえば短い道のりでも、最初の一周はとにかく霧の中で、だからこそ抜けた時の感触が濃い。夢見たお姫様救出がここまで地獄とは知らなかったと笑いながら、実はその地獄が時代の標準だったことに気づく。ロマンシアは姫を助ける物語に見せかけて、当時の遊び手が情報と根気をどう抱えたかを、静かに映す鏡みたいな一本だ。

  • NAO総評

    お姫様救出の王道に胸を膨らませたら、待っていたのは順番当てと条件外しの連続だった。何を切るかより何を拾うかが支配する感じで、かわいい絵は客寄せ、実態は情報戦だ。攻略本が権力になる時代の縮図で、迷子の時間すら作品の一部として押しつけてくるのが怖い。教科書出版社が売る冒険が、ここまで不親切でも成立したのは、遊び手が紙と鉛筆で補うのを当然と思っていたからだろう。今の目線だと荒いが、当時の熱量は確かに残っている。

    出典:NAO
  • NATSU総評

    かわいい世界に安心して入ったのに、二画面目が遠すぎて泣きそうになった。攻略本を開くと急に景色が意味を持ち始めて、やっと冒険が動き出すのが不思議。セーブできない緊張感も含めて、怖さと格好よさが同居した思い出として残ってる。一回目は失敗が多すぎて落ち込むのに、少しだけ正解が見えた瞬間に気持ちが戻ってしまう。古代祐三の曲が流れると、もう少しだけ頑張ろうと思えた。お姫様を助けたというより、迷子の自分を連れ帰った感じがする。

    出典:NATSU

📘 説明書資料(ロマンシア[TKS-G2])

説明書:gamingalexandria.com 所蔵版(ロマンシア[TKS-G2])
※Romancia [TKS-G2](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction Booklet
※gamingalexandria.com様による保存資料です。 / 権利は各社に帰属します。

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