裏技
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風を完全に止める
ゲーム起動後にすぐスタートすると、第1ホールの風が吹かなくなり、風速0の状態でプレイを始められる。ゲーム起動後にすぐスタートすると、第1ホールの風が吹かなくなり、風速0の状態でプレイを始められる。
エピソード
トリビア
1984年5月1日に発売されたファミコン用ソフト『ゴルフ』は、価格4,500円で登場した任天堂のスポーツゲームだ。ファミコン初期において“家庭で本格的なゴルフを遊ぶ”という挑戦を掲げた一本であり、シンプルながらも奥深い操作感で多くのプレイヤーを魅了した。
本作の開発を語るうえで欠かせないのが、後に任天堂社長となる岩田聡氏の存在だ。HAL研究所に在籍していた岩田氏が中心となり、ほぼ一人でプログラムを手がけたとされる。さらに後年、Nintendo Switchの初期ファームウェアに追悼の意味を込めて隠し収録されていたことが判明し、大きな話題を呼んだ。Joy-Conを岩田氏が“Direct”で見せた独特のポーズで操作し、システム日付を命日に合わせることで起動するという仕掛けは、ゲーム史に残る“任天堂らしい遊び心”の一例と言える。
ゲームシステムは当時としては驚くほど先進的だった。ショット時には「パワーメーターで強さを決め、インパクト精度を判定し、左右のブレを管理する」という三段階操作が導入されており、今日のゴルフゲームでも定番となっている仕組みの原型となった。さらに風速・風向の影響を加え、池やバンカーを避けながらホール全体をマップで確認できる構造は、戦略性を格段に高めていた。単純なボタン連打ではなく、読みと計算を求められる“スポーツの再現”は、当時の子供たちに新鮮な体験を与えたはずだ。
そして忘れてはならないのが、キャラクターの存在だ。1P側は白いシャツに青いズボンのひげオヤジ、そして2P側は赤シャツに黒ズボンの“赤いオッサン”が登場する。どちらも顔立ちはマリオそっくりで、当時から「これマリオじゃないの?」という声が後を絶たなかった。実際、海外資料や後年のファン考察では「ゴルフのプレイヤー=マリオ」と扱う例も見られるが、任天堂公式は当時“マリオ”とは明言していない。内部データ上では「Ossan(オッサン)」という通称が使われており、2コンの赤オッサンもその延長線上にある存在だったと考えられる。後年の『キャプテン★レインボー』で“オッサン”として再登場したのも、こうした裏事情を踏まえた遊び心だろう。
また、Wiiの『Wii Sports』に収録されたゴルフモードでは、本作の9ホール分がリメイク的に流用されているとされる。20年以上の時を経て、かつての赤いオッサンと白いオッサンが走り回ったコースが再び蘇ったことになる。任天堂が自社の歴史をリスペクトし、過去作の要素を未来へ受け継ぐ姿勢がここにも表れている。
売上面では、日本国内で約246万本、世界合算で400万本超という大ヒットを記録。ファミコン初期のスポーツゲームとしては突出した成功であり、“友情を深める”と同時に“兄弟げんかを誘発する”タイトルとしても親しまれた。シンプルながらも熱中度が高く、BGMがほとんど存在しない硬派な雰囲気も含めて、多くの家庭で強烈な思い出を残したに違いない。
『ゴルフ』は、単なるレトロスポーツゲーム以上の意味を持つ。岩田聡氏との縁、隠し収録の逸話、Wii Sportsへの影響、そして1Pの青オッサンと2Pの赤オッサンをめぐる議論。こうした裏話を知れば、プレイヤーがクラブを振るたびに感じる一打一打に、歴史の重みと任天堂の遊び心が重なってくるのだ。
NAO:総評
2Pの赤オッサン、あれ誰だったんだろうなって今でも話題になるよな。どう見てもマリオっぽいのに、当時の任天堂は公式に「マリオです」とは言わなかったんだ。内部データでは「オッサン」って仮称で呼ばれていたって話も後から出てきて、子どもの頃は妙に納得した気がするんだよ。青オッサンと赤オッサンが交互にスイングする姿は、真剣さよりどこか笑いを誘ったな。ゲーム自体は硬派で、三段階ショットや風の読みなんて小学生には手ごわすぎたけど、それでも打ったときの“手ごたえ”は妙にリアルで、本格ゴルフをやってる気分になれたんだ。結局、シンプルな作りと謎のオッサンたちのおかげで、ただのスポーツもの以上に記憶に残る一本だった。
出典:NAONATSU:総評
『ゴルフ』で一番印象に残っているのは、やっぱりパターの緊張感ね。遠くへ飛ばすドライバーよりも、最後の一打で強すぎればカップを外し、弱すぎれば届かない。その瞬間に家族や友達が一斉に声を上げるのが楽しかったの。BGMがない静かな画面に効果音だけが響くから、一打一打の重みが増して自然と空気も張り詰めていたわ。兄弟で交代しながら遊んで、外せば笑い、決めれば歓声が上がる。そんなシンプルな体験が強く記憶に残っているのよ。キャラクターの正体がはっきりせず、マリオなのかどうか曖昧な点も話題になったけれど、それすら遊び心の一部だった気がするわ。家庭に真剣勝負の空気を持ち込んだ、初期ファミコンを象徴する一本だったの。
出典:NATSU📘 説明書資料(ゴルフ [HVC-GF])
説明書:Internet Archive(ゴルフ [HVC-GF])
※Golf [HVC-GF](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction_Booklet出典:※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 / 権利は各社に帰属します
















































発売日:1984/5/1|価格:4500円|メーカー:任天堂|ジャンル:スポーツ
NAO: 2Pの茶色いやつ、誰なのか最後まで謎だった。
NATSU: パターの操作性だけ、やたら本格的。