裏技
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Gチーム固定対戦
リセットを押しながらスタートを入力し、その後リセットだけを離す。すると不思議なことに、対戦相手が必ずGチームに固定される。リセットを押しながらスタートを入力し、その後リセットだけを離す。すると不思議なことに、対戦相手が必ずGチームに固定される。 -
超スローボール
外部コネクタにコントローラーを接続する。外部コネクタにコントローラーを接続する。 1Pコントローラーの「上」と、接続したコントローラーの「下」を同時に押す (逆に1Pが下・接続側が上でも可)。 その状態でどちらかのAボタンを押すと、ピッチャーが超スローボールを投げる。1Pコントローラーの「上」と、接続したコントローラーの「下」を同時に押す
(逆に1Pが下・接続側が上でも可)。その状態でどちらかのAボタンを押すと、ピッチャーが超スローボールを投げる。
エピソード
トリビア
1983年12月7日に発売された『ベースボール』は、ファミコン初期を代表するスポーツゲームのひとつであり、日本国内だけでなく北米におけるNESローンチタイトルにも採用された記念碑的な作品である。開発は任天堂R&D1が担当し、宮本茂も制作に関わったとされ、家庭用ゲーム機で“野球を遊ぶ”という体験を広める大きな役割を果たした。
ゲームには「C」「D」「G」「S」「T」「W」という6つの架空チームが登場するが、能力差は一切存在せず、ユニフォームの色が異なるだけの仕様となっている。投手にはスタミナの概念がなく、交代や継投のシステムも用意されていないため、一人のピッチャーで延々と投げ続けることが可能だった。打者交代や守備変更も存在せず、プレイヤーは純粋に投球・打撃・守備の最小限の操作に集中することになる。現在の野球ゲームに比べると極端に簡略化されているが、それがファミコン黎明期らしい潔さを感じさせる部分でもある。
プレイを重ねると、このシンプルさゆえの“クセ”が見えてくる。例えばバントをすると、内野守備が間に合わずヒットになる確率が高いことが知られており、ランナー一塁の場面では守備側が自動的に二塁へ送球してしまうため、打者が容易に一塁へ残れる現象も確認されている。こうした挙動は攻略法として語られ、子どもたちの間では「バントで点を稼ぐ裏技的戦術」として広まった。
さらに特筆すべきは“魔球”の存在である。特定の操作によって投球が極端に遅くなる「超スローボール」は攻略記事や裏技集で紹介され、対戦プレイでは強力な切り札になった。中には、ファミコン本体のエキスパンドコネクタに触れることで投球が異常に遅くなるという荒業も雑誌で紹介されたが、これはハードを直接いじる危険行為であり、後に注意喚起がなされたという逸話が残っている。当時の子どもたちにとっては“半ば都市伝説のような裏技”であり、同時にファミコン文化を象徴する思い出でもあった。
音楽面ではシンプルさが際立つ。オープニングと試合終了時に短いBGMが流れる以外は基本的に効果音のみで構成され、ピッチャーの投球音、バットに当たる打撃音、アウト時の判定音などがリズムを刻む。静かな画面に効果音が鳴り響く独特の緊張感は、現代の派手な演出とは対照的で、かえって記憶に残りやすかった。
北米ではNESと同時に発売され、アメリカ市場において「任天堂=野球」というイメージを強く印象づける役割を果たした。野球というスポーツを題材に選んだのも、当時のアメリカ市場を意識した戦略の一環であったとされる。日本でもシンプルな内容ながら家族や友人と盛り上がるには十分であり、Amazonレビューや思い出投稿には「父親と初めて遊んだファミコンソフトだった」「兄弟で魔球を出して大笑いした」といった証言が数多く寄せられている。
現在の目線から見れば、投手交代もなく守備も単調な『ベースボール』はあまりに簡素な作りに映るかもしれない。しかし、1983年当時の子どもたちにとって、自宅のテレビで野球を“自分の手で操作できる”こと自体が革新的だった。シンプルな設計と素朴な演出は、まさにファミコン黎明期ならではの味わいであり、後の野球ゲームの原点として今なお語り継がれる一本といえる。
NAO:総評
9回裏、ただのピコピコ音に合わせて打席に立つだけなのに、手汗が止まらない──それが『ベースボール』の不思議な魔力だった。投手交代も守備変更もない極端な簡素化で、疲れ知らずのピッチャーが延々投げ続ける姿は今見れば笑えるが、当時はそれすら熱狂の要素だったんだよな。バントで点を量産する裏戦術や、自動送球のクセを突く攻略が流行ったのも、システムの隙を逆手に取る楽しみがあったからだ。魔球“超スローボール”なんて都市伝説めいた裏技も子どもたちを熱狂させた。結局のところ、派手な演出やエフェクトなんてなくても、打つか打たれるかの駆け引きそのものが面白かったんだよ。黎明期ファミコンならではの“削ぎ落とした熱さ”を残した一本だった。
出典:NAONATSU:総評
投球のタイミングを少しずらすだけで、CPUが大きく空振りする──その一瞬の快感は今も覚えているわ。兄弟や友達と交代で遊んでは、魔球を出して笑い転げた。守備も交代もない単純な仕組みだったけど、「家で野球を操作できる」こと自体が革新的で、リビングがそのまま球場に変わる感覚があったのよ。バントで得点を稼いで勝ち誇ったり、9回裏で逆転されて悔し泣きしたり──そんな記憶が重なって、このゲームはただの初期タイトル以上の存在になった。派手さはないけれど、家族の笑い声や友人との盛り上がりを生んだことが何より価値だったと思うの。『ベースボール』は“原点の野球ゲーム”として、今なお特別な一本ね。
出典:NATSU📘 説明書資料(ベースボール [HVC-BA])
説明書:Internet Archive(ベースボール [HVC-BA])
※Baseball [HVC-BA](Famicom)(JP)
区分:説明書/Manual/Instruction_Booklet出典:※当時の説明書はInternetArchiveに保存された資料を参照 / 権利は各社に帰属します

















































発売日:1983/12/7|価格:4500円|メーカー:任天堂|ジャンル:スポーツ
NAO: 9回裏の逆転劇。ピコピコ音で、なぜこんなに熱くなれたのか。
NATSU: 投げるときにタイミングをずらすと、AIが空振りするのが快感だった。